小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

場をなごませる「笑顔」の効能を考えてみる

笑顔が素敵なお客さまに会いました。

お話をしていて、常に相手に耳を傾け、相づちを打ったり。

「そうなんですよ〜」
「それって、どういうことなの?こういうことかな?」

好奇心の赴くままに問いを立てられて、話が自然とはずんでしまいます。補足すると相手は業界内では著名なビジネスパーソンで、お話の場はメディアのインタビューの場でした。でも、それがほんわかとした雰囲気を醸し出し、あたかもカフェで立場を関係なくフラットに会話するそれに近いようなインタビューになっていきました。

これって、不思議なことだなぁ、、、とインタビュイーの隣で話を聞きながら、その場がなぜ、そうなっているのかを考えていました。

そこで飛び出す、無邪気な「笑顔」。

アハハハ(笑

自然に我々もつられて、笑ってしまいます。笑ってしまうというか、心からそれって面白いね、と思えるんですよね。

あっ、そうか。
この笑顔が、この場をつくっているのかもしれない。ということで、笑顔の効能について、調べることにしました。調べた中で興味深い話が記載されていたのが、心理学者のジェリミー・ディーンは心理学関連ブログ「PsyBlog」で掲載されていた「10 Hidden Benefits of Smiling」という記事です。


ここでは、いくつか今回感じたことにつながる話があったので、ピックアップしてみます。

1.笑顔は視野を広げてくれる
ひとは緊張しているときに視野が狭くなるといいます。目の前に起こることに集中するからです。一方で、笑顔は柔軟性や注意力、全体に広がる洞察力を向上させるといいます。

2.笑顔は、人を寛容にさせる
笑顔は、人を無条件に寛容にさせる効果があるそうです。偽の笑顔、悲惨な笑顔、本当の笑顔かはとくに問題ありません。

3.笑顔は、信頼を勝ちとる
笑顔は、社交性や気前の良さといった評価を高めるそうです。実際に経済学者の研究では、笑顔であれば他の人を信頼する可能性がより高かったとあります。笑顔によって約10%の信頼度を高めることができたそうです。

 

===


なるほど。
こうして調べてみると、あの場が「笑顔の効能」があったのかもしれないと思われます。会話の内容に入れ込む場づくり、信頼関係の構築、そして、何でも話してもいいという寛容な気持ちをつくっていたのかもしれません。納得。

でも、結果、笑えばいい、といっても、ひとは自然に笑顔をだすことができないように思います。自分の感情を振り返ると笑顔にはエネルギーが必要だと思いました。

心の豊かさ、心身の健康。

笑顔が、対話の質を高める。しかし、それを生み出す源は、心にゆとりがあることや、健康でエネルギーを発する身体が大事なのだ。そんな結論から、ますます日々の体調管理や心のゆとりをつくる「メリハリ」を考えたのでした。

メリハリって考えると、子どもがいると自然にそうなりますよね。
改めて、そうやって考えると子どもがいることによるビジネスの効能を考えてしまうのでした。話が拡張していってしまうので、今日はここまでにします(笑

(余談)
記事内でも紹介されていますが、笑顔は異性を惹きつける効果があるそうです。バーで男性が声をかけたキッカケは「目があった」「笑顔」だったという話です。しかし、注釈が。女性には魔法の効果があるそうですが、男性から女性への笑顔はそれほど効果がないようです。残念。。。。

1年の振り返りに効く「1つの質問」

「この1年で、いちばん大きな失敗は何ですか?」

以前、セミナーを共同開催させていただいたときに、とあるベンチャーの代表からいただいた言葉です。シリコンバレーで勉学に励んだバックグラウンドがあり、その際に「失敗」から学ぶカンファレンスがあったことがキッカケだったといいます。そして、日本に帰国したあと、「失敗に目を向けず、成功ばかりに目を向けること」への違和感を感じたといいます。

「この1年で、いちばん大きな失敗は何ですか?」

この問いには、1年でどれだけ自分の枠を広げるチャレンジをしたのか、という意図があります。例えば、30代を過ぎれば、それなりに仕事をこなせます。しかし、それは裏を返すと成長曲線が鈍っているといえます。

人間は、成功よりも「失敗」から学ぶといいます。理由は、人間は成功の探索をしないからです。失敗の探索により、より多くの学びを得る。また、これまでの固定観念を破壊することにもつながるからです。「失敗は、成功のもと」と言われますが、これは統計的にも正しいそうです。

2010年にアメリカのピーター・マドセン氏とヴィニット・デサイ氏が経営学術誌で発表した論文で、宇宙軌道衛星ロケットの打ち上げを研究材料として、打ち上げに成功したグループと、失敗したグループのその後の打ち上げ失敗確率の結果を分析したところ、成功したグループよりも一度失敗したグループの方が次回のパフォーマンスがあがったそうです。

松下幸之助さんも

「失敗は何かを気づかせるための、ベストなタイミングである」

といっています。成長には、失敗が必要不可欠というわけです。

しかし、失敗において個人的に大切にしなければならないことがあります。とくに企業に勤めている方にいえることですが、

失敗しても、自信を失わないようにする ということです。

企業内評価において、減点主義の会社も多くあります。また、チャレンジを応援するという企業体質でも、例えば社内起業においては、既存業務の人たちからはお手並み拝見に見られ、失敗したときの拠り所が自分のみ、ということになりかねません。せっかく社内起業に挑戦したのに、そこで自信をなくして、モチベーションがなくなり、既存業務にまでモチベーションが保てなくなったという事例をいくつか見ています。失敗して自信を失わないためにも「方向性が正しい」「失敗の気づきをフォローしてくれる」メンター的な存在はつくっておいた方がいいと個人的に思っています。

さて、今年も残り2日営業日になりました。
1年の仕事をしっかりと振り返りつつ、来年のプランを立てたいと思います。もちろんチャレンジなプランです(笑

「なぜ」「どうして」の使い方は難しい。コミュニケーションの話。

「なぜ、○○○○するの?」
「どうして、やらないの?」

子どもに対してよく使ってしまう言葉です。とくに悪いことや約束ごとができていないとこの言葉を使ってしまうことが多いのではないでしょうか。しかし、この「なぜ」「どうして?」という言葉を使って子どもに投げかけをしても実は心に届いていないことがあります。最近、コミュニケーションで意識していることだったので、今日はそのことについて、書いてみようと思います。

「なぜ、○○○するの?」
「どうして、やらないの?」

いずれも子どもにその理由を考えさせたい、という気持ちから使っていますが、それが逆効果を生みます。なぜ、逆効果だというと、その言葉自体が子どもにとって、単なる「詰め」になっているからです。

「なぜ、○○○するの」→すでに悪いことと断定した言い草になりがち。
「どうして、やらないの?」→この言葉も端に責めの問いになりがち。

以前、上司と部下の関係で詰めばかりしていう上司の言葉は、部下には届きにくいという話をしました。理屈は正しいけど、人はそれをうまく受け入れられないという話です。では、伝え方が上手な上司は観察していると何をしているのか。

それは、「伝えるための整え方」が上手いという話です。部下に聞き耳を立てさせるための事前準備がしっかりできています。例えば、まずは「褒め>詰め」「1対1で人前で叱ることはしない。自尊心に配慮」です。

 

chibiblog.hatenablog.com


では、今回の子どもの件ではどうなのか。とくに「褒め>詰め」というのが大事で、
「伝えるための整え方」では、まずは「承認すること」です。

例に出してみます。よく自分の息子は「プラレールで遊んだあとに、なかなか片付けができない」という悩みがありました。ここで、親が言ってしまうのは、

「なんで、プラレールのお片づけができないの?」
「どうして、プラレールのお片づけをしないの?」

すでに「お片づけしない悪い子」というニュアンスを感じ取れるコミュニケーションになってしまっています。

では、どうすればいいのか。例えば、「承認」を入れるとこうなります。

「いつもできているのに、今日はできていないね。どうして〜」

「いつもはできている」「今日は〜」と限定的にさせることで、普段は承認している。しかし、「今は」できていないとなります。全面否定しているわけではないので、聞く耳を持ってくれる場を整えることができます。

ちょっとしたコミュニケーションの違いが、相手のモチベーションの差異を決める、というのを子どもを通して、勉強しています。


息子が今度4歳になります。言葉の意味もよく理解し、自分の意志でやること、やらないことを決めることができます。しかし、その選択は必ずしも自身の成長や社会に出る上で正しい判断とは限りません。

親として、コミュニケーションでどう相手に気づきを与えるのか。どう学びにつなげてもらうのか。もっと考えていかなければならないな、と思います。


“断捨離”によって、ほんとうに大切な価値観に気づくという話

世間は、クリスマス一色。読者の方はどのようなクリスマスをお過ごしでしょうか。
chibi家では、祖父母も集まり、大にぎわいのクリスマスパーティで過ごしました。

クリスマスツリー、飾りに彩られた部屋が一日たち、今日から片付けが始まります。


そうです。


年末に向けた「大掃除」です。chibi家は、毎年年末に実家に帰るため、年末年始にゆっくりと部屋の掃除をしている時間がありません。そのため、クリスマス後に行うのが恒例行事です。

そんな朝、ふと思ったのが「断捨離(だんしゃり)」です。ご存知出ない方のために記載すると、断捨離とは、不要なものを減らすことで、モノへの執着をなくすこと。そして、生活に調和をもたらそうとすることです。

最近、大胆に断捨離した男性の話を聞きました。
それは家の中のモノを思いきって捨てたという話(もちろん、メルカリも含みます)。結果的に部屋の中の7割近いものが減ったことで、あることに気づいたんだといいます。

それは、
「いま、残したものは本当に大切なもの。では、どんな価値基準でこのモノを残したのかということを知ることができた」と言います。その言語化された価値基準までは突っ込みませんでしたが、そこに価値があるといいます。そして、それを定期的に実施することで、自分自身の価値基準の変化も知ることができるのだといいます。

当然、衝動買いもなくなるし、環境に入ってくるモノも少なくなります。
その中で、次に断捨離を行えば、より価値基準はシャープになります。

お〜、たしかに。
それは、わかりやすい! と気持ちが高ぶったりしました。

断捨離といって、捨てる、手放す、部屋が片付くということだけが価値ではありません。「大切にしたい価値基準」を言語化、再確認できるというのがもっとも価値のある部分ということを知れば、何か大掃除というものがワクワクするものに変わるのかもしれません。


翻って我が家の話へ。

もともと大掃除で「捨てる」行為を行っているものの、なぜか毎年モノが増える。これって、家族間、自分の中に「モノの価値観が変わっていない」もしくは物欲を抑えきれていないことがあるのではないか、と改めて反省させられたわけです。

捨てることによって、自分たちがほんとうに必要とするものは何か。
ここを徹底的に考えて、モノを買う方って少ないのではないかと思っています。

大掃除を前に、「価値基準の言語化:大切にしたいものは何か」を意識して、作業を進めます。

では、よい週末を。

日本人はスケジュールに無頓着? スケジュールが生むパフォーマンスの違いについて

12月23日(金)主催者のご招待で、とあるビジネスフォーラムに出席してきました。出席しているのは、大企業のイノベーション/研究機関の方々や経営者、NPO一般社団法人の代表、アカデミック分野の方々など、錚々たる方々。

テーマは、ライフスタイルやイノベーションの話が中心。

ここ1年で行った中でもっとも刺激的なフォーラムで、学びの多いものでした。今日はその中で気になったTOPIXを紹介します。

そのTOPIXとは、「スケジュール」。

なぜ、スケジュールの話になったのか、というと、1年間のスケジュールをどれだけプランしておくのか、という議論になったからです。話の中心は、NPOの代表に。彼のプランニングの考えは、

1.年間スケジュールは、だいたい埋めておく。
 長期休みの期間、すでに決まっているアポイントなど。それで8割埋まるそう
 また、月に2週間分の休みをしっかり確保している。
2.無理をしない
 身体が悪く、長期入院をすることも多い為、無理して仕事を詰め込まない

1.についてですが、日本人はスケジュール管理がしっかりしているようで、スケジュールに無頓着という話でした。例えば、年間の休みについて。米国のひとは1年のプランでここは、家族で長期間の旅行、イベントはここ、など年間プランを決めていくそう。自分の解釈としては、海外は年間を線として捉えて、全体をプランして管理する。日本は、線がなく、直近の点を決めて、その点の管理をしっかりとするタイプ。

差異が生まれるのは、中長期で年間スケジュールを決め、制約を決めることで「自身の働き方」を考えることができること。制約のある働き方という中で紹介されたのは、松下幸之助さんで、身体が弱い松下さんは身体を酷使することができないため、限られた時間の中でどうパフォーマンスを出すのか、というのに尽力したとのこと。

年間スケジュールが埋まり、時間の制約があれば、あるほど、その制約条件の中で働き方を考えるため、仕事の成果があがる。逆に制約がなく、どれでも仕事を受けるとパフォーマンスの精査を怠りがちになる。

なるほど、たしかに。

また制約条件の中に、「休みの時間」をしっかりとるというものがあります。例で出てきたのは、ビルゲイツさん。Think Weekというものがあり、1週間、いっさいの外部コンタクトを遮断し、本等を持ち込んで、考える時間を設ける。脳もいつものパターンに犯されているので、こうして脳を切り替えるにも時間を要するともいいます。


「日本人は、スケジュールに無頓着。背景にあるのは、捨てることが苦手だから」


というものが見えてきます。制約がないから、無頓着に予定を詰め込む。
逆に、ほしい未来を描き、どれを継続し、どれをやらないのか。とくにやらないが大事で、やらないことを決めることで、よりほしい未来に向けたことに集中できるともいえます。

以前、あるコンサルタントにこんなことを言われました。

「ストレングスファインダーで、自身の強みを理解しているひとがいます。
 でも、これだけでは不十分。大事なことは34項目すべて理解すること。
 なぜならば、苦手なものを知ることでやらない、人に任せる決断ができるから」

こうして考えると自分の年間スケジュールもざっくりすぎる。
なんか身体の体調が悪くなってきたから、有給を使おうかな。
なんか気分的に旅行にいきたくなってきたから、長期休みで家族旅行を入れようかな

そんな行き当たりばったりだからこそ、全部DOする。振り返りが甘いとなっていたことに気づきました。ということで、この3連休を通して、来年1年のスケジュールをしっかりと決める。

やるべきことと、やらないことをしっかりと決める。そんな時間にしてみたいと思います。

今日も都内はいい天気みたいですね。よい週末を!

ゾーン(極限の集中)に入るための3つのステップを試してみる。

「俺たち1カ月毎日ブログ書くぜ」の企画に参加して、はや1カ月半。10月に参加、そして、12月に再度参加させていただき、この短期間で43本の記事を書いてきました。思ったよりも急ピッチで制作をしてきたものです。

しかし、こうして毎日書いているとどうしてもねたがない、書くことがないと悶々とすることがあり、「どうしたら、いっきに書き上げることができるのか」ということを考えるようになりました。

そして、ベタですが集中力を増すための方法を試すことにしました。それが、予防医学者の石川善樹さんがいうゾーンに入るための3つのステップです。実際にこれを実施してみると、ブログを書こうとしても悶々として手が動かず、時間が過ぎてしまったということが少なくなりました。今日はこの事例について紹介します。

実際にやってみたこと:
石川善樹さんはゾーン(極限の集中)に入るためには、3つのステップを踏まなければならないという話をされています。これを実践してきました。さきに3つのステップを解説します。


1.強いストレスをかける
  …最初にストレスを掛けます。よく使われるのは、締め切り効果ですね。
   ○○分で、この作業を終わらせる、というものです。

2.一気にリラックスする
  …「ヤバい、ヤバい」という状態で自分を追い込み、
    そのあとに「でも、やるか」と開き直る。

3.適度に明確な目標を定めて、実施する
  …作業のゴールをイメージする。目標がないと集中できないとのこと。

これが、石川善樹さんがいうゾーンの入り方になります。

では、これをブログを書くに応用するとどうなるのか。

1.の締め切り効果は、明確な時間の締め切りをつくること。この「俺たち1カ月毎日ブログを書くぜ」は、明け方までに記事を書くことが締め切りラインになっています。それで夜に書こうとなると「何を書こうか」と悶々としたり、締め切りがないのでダラダラと書いてしまうということがありました。

そこで、朝に記事を書くことにしました。朝は子どもの保育園への送りの準備、自分自身の出社もあり、時間が制限されます。妻が起きてくるまでに作業を終えていないと、嫌みを言われます。そのデッドラインまでに書き上げなければなりません。この締め切り効果を使って、いっきにストレスをかけることしました。

2.一気にリラックスですが、これは石川善樹さんがいう呼吸法を使っています。3.2.5の法則です。

3秒吸って、2秒留めて、5秒ゆっくりと吐くというもの。なぜ、これでリラックスするのかというと、石川善樹さんいわく「酸素の交換が上手くいく」からなのだとか。

3.の適度に明確な目標を定めて、実施するというのはもちろん、記事を書き上げるイメージです。そして、記事を書き上げるためには「ねた」が必要になります。このねたは、前日の寝る前までに決めることにしました。

それと3.の明確な目標を定める、という点で石川さんが面白いことを言っていました。

例えば、学習についてですが、日本人は学習がすごく下手。実際、学びを最大化したいのであれば、「うかつに勉強してはいけない」のだそうです。まずは「勉強したくて、辛抱たまらん!!!!!」という気持ちになるまで、うかつに本や勉強に当たってはいけないのだとか。これをハーバード大で石川善樹さんは学んだそうです。

これを今回のブログ企画に置き換えると、「これは書きたい!!」というねたがない限りは書き始めてはいけない、ということになります。となれば、まずは前日の寝る前まで「書きたくて、辛抱たまらん!!!!」というねたをつくっておけばいいわけです。


ざっと上記のことを数日進めてきましたが、朝方、20分もあれば、いっきに書き上げることができるようになりました。

まだまだ構成が不十分であったり、落ちの作り方が甘いという話はありますが、まずは「ブログ記事を書き上げる」という日々のゴールは達成しているので、よしとしています。

あとは、技術の問題ですね。はい、精進します。


そして、最後に余談ねた。
実は偉人の方々もこのストレスとリラックスをうまく使って、偉大な作品を残していたといいます。それはどんなときか。

だいたい、「離婚訴訟」など、女性とのトラブルだそうです(汗

失恋など、過度なストレスに入ったあとに開き直りが起こると、クリエイティブが生むのだそうです。。。。さすがにこのねたは、自分には適用しにくいですね、、、、(苦笑

今日は東京都内はいい天気になりそうですね。
では、よい週末を!!!!

少子化がとまらない現実。これからどう変わればいいのか。

衝撃的な数字が目に飛び込んできました。
出生数が、1899年の統計開始以降で初めて100万人を割り込むとのこと。

www.nikkei.com


主な理由は、
1.20~30代の人口減少
2.子育てにかかる経済的な負担から第2子を産む夫婦が減っていること

20代、30代の人口減少はそもそも抗いようのないものですが、2.の件は、まだまだ対策ができること。ただ現実をみても、わたしの会社の部署でグループで、結婚して子どもが2人いるのがわたしだけしかいません。平均年齢が若い会社であることを差し引いても、これはあまりに少ないという印象をもっていました。

結婚している会社の同僚にさりげなく「子どもの予定」を聞くと、だいたい2つに集約されます。

1.30代前半で生む必要はない。30代後半で一人でOK
2.もともと結婚が、子どもをつくらない前提だった

2.については、お互いバリバリキャリアを積んで、稼ぎたいという志向。1.についても晩婚化が進むといっても、30前後で結婚するひとが多くいます。しかし、子どものこととなると30代後半でOK、という志向の方がたくさんいます。

ちょっと古いのですが、平成25年度にレポートされていた厚労省白書の中にも、出産に関する記載が多く見られていて、興味深いデータがいくつかあります。

www.mhlw.go.jp


わたしが個人的に気になったデータは、

実は国際的に見ても、日本人は「理想の子どもの数」が多いということです。

比較対象は、日本、韓国、アメリカ、フランス、スウェーデン。データを見ると、どの国でも 2~3人と答えた割合が多くて、7~8割を占めていることはいっしょです。しかし、韓国と、アメリカでは1人でいいというのが日本の2倍。日本は決して、1人でいい。子どもはいらない、という志向を持つ方は他国に比べて低いことがわかります。平均すると、2.3人。他国と比して、決して少なくはなく、むしろわずかですが「多い」。

では、結局なぜ、理想と現実の乖離が生まれるのか。

厚労省のデータでも突出して高いのが、「経済的理由から」という話です。先ほど記載したわたしの同僚についても、言葉では表に出さないものの、「経済的理由」があるのかもしれません。いまはよくても、リストラ、先々の収入の補償がなければ、子どもを生むというリスクを積極的に踏めないということかもしれません。30代後半に、というのもキャリアの見通しが立ってから、という見方もとれます。

改めて見てみると、結局、「経済的理由の解消」なくして改善はないという話かもしれません。しかし、経済成長がない中で国内全体で収入が伸びるというのも考えにくく、現実はその収入でどう子どもを育てるのか、を考える方が現実的です。

考えだすとまだまだたくさんあるので、この解消法としてどんなことがあるのかを後日記事にします。


複業(副業)/兼業は夫婦の関係に似ていると言ったワーママの話

今日は不思議なタイトルから。

ねた元は、プロボノを体験しているワーキングママさんたちとランチ。女性のはたらき方やキャリアの話をしている中で、プロボノの話になりました。

そこで出てきた言葉がなんとも衝撃的でした。

プロボノは、ワーママの愛人のようなもの」

おっ、おぅ、、、なかなか刺激的な言葉です。
そして、ワーママの二人も「そうそう!!!」と完全同意。話が盛り上がる。

これだけだと分かりにくいですよね。簡単に解説すると、
ワーママにとって、雇用している会社は夫のようなもの。
愛情があって、いいところだけど、時々、刺激というものがあったらいいな、となる。
その相手というのが、プロボノ(愛人)だという。

もちろん、雇用される会社の仕事は一生懸命、
ただ、愛人先では異なる自分を出せることになる。それがいいのだとか。
言葉を変えるとまた違った自分の魅力を見いだせるということなのか。


プロボノは「愛人」。


ふむふむ。なるほど。
なかなか深い話だし、たしかに筋は通っている。


そして、実はここからが本題になる。
よく複業(副業)で懸念されるのは、複業先での仕事が楽しいから、本業に集中できなくなるという点。そして、複業先に転職してしまわないか、という点。たしかに不安だし、懸念だし、実際に離婚(別れ)になったら、大変だ。実際はどうなのだろうか?

その問いの解について、ひとりがいう。
「夫(会社)を捨てて、ほかに行こうってことはありえない」。

皆がうなずく。

家庭があり、夫がいて、子どもがいて、大事なものがある。ちょっとはそこに不満がありつつも、それが全否定されるものではなく、大切な場所であることは変わりない。だから、ちょっとやそっとでは離れない。しかし、ちょっと外の世界、経験したことないことに興味をもつ好奇心はぬぐえないということらしい。

だから、複業(副業)という愛人に走るということはないから、どんどん複業のスタイルが浸透した方がいい、という話でした。なかなかわかりやすい。

ランチ時に大きな話題にはならなかったけれど、SNSによるネットワーク化によって、他人のさまざまな仕事体験、幸せ体験を目の当たりにする機会が増え、新しい体験への欲求が高まっているのかもしれない、とふと考えた。

そして、個人的にワーママたちのインサイトをちょっと覗けたのが為になった。

とはいえ、ここでひとつの問題が。

あれ? 一人、独立しているひとがいるんだけど?

その問いに彼女はこう答えた。

「愛人(複業先)にはついていかなかったけど、
 もっとよいライフがあると思ったからね(笑)」

労働人口減少というけど、どれだけ減るのか。そして、どう対処すべきなのか。

仕事柄、厚労省や各種シンクタンクから発表される資料に目を通すことが多いのですが、先日、経産省から出ていた「21世紀からの日本への問いかけ」を掻い摘んで説明したところ、非常にわかりやすいという評価をいただきました。

そこで今回も各種シンクタンクから発表されている資料について「ざっくり言うと」という風味でポイントを紹介したいと思います。

chibiblog.hatenablog.com


今日紹介するのは、パーソル総合研究所が2016年6月に発表した「労働市場の未来推計2016」です。
 

rc.persol-group.co.jp

 

■サマリー:
 →2025年に約600万人の労働力が国内で不足する懸念あり
 →とくに労働力が不足する懸念が大きいのは「情報通信・サービス業」
 →2016年時点の有効求人数248万人に比較し、約2倍以上の不足に
 →逆に過剰とされるのは「政府サービス 246万人」

約600万人の労働力が不足する、というけど、600万人というのはどれぐらいなのか。
近い数字は、千葉県の人口「6,222,666」。千葉県の全人口分の労働力が国内で不足するという懸念があるということです。こう考えると労働力不足の深刻化が理解できます。

では、どのようにこの労働力不足を解消しようというのか。
主に注目されるのが、下記の4つ。

 1.はたらく女性を増やす  +350万人
 2.はたらくシニアを増やす  +167万人
 3.外国人労働者を増やす  +34万人
 4.生産性を向上させる  ー114万人

女性の労働参加は、M字カーブの解消になります。これがスウェーデンと同様のレベルまで改善できれば、350万人の労働力を確保することができます。

シニアの参加も必須です。実は、60歳以上になっても7割が働き続けたいという希望をもっており、65歳〜69歳のシニアが60〜64歳のシニアと同じぐらい働けるようになるだけで、167万人の労働力確保になります。

外国人労働者は、2015年時よりも2倍になれば、34万人の労働力確保です。
生産性については、1時間あたりの労働生産性の伸び率を0.9から1.3に伸ばせば、114万人の必要となる人手がなくなることになります。節約ですね。

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実はざっと数字を見る限り、いちばんインパクトが大きいのは「女性の活躍」になります。とくに30〜40代という最もバリバリ働ける期間となるため、国を挙げて女性の活躍を支援しようとしている背景がここにあります。

シニアの労働力も十分期待できますが、必ずしも新しい産業に即した人材であるのかは不透明です。ですから、国全体を見据えた上での「最適な人材配置」をもっと考えなければなりません。ここが解雇規制や副業/兼業モデルを導入しようとする背景だったりします。おそらく1月の臨時国会においても「働き方改革」は大きな話題になるはずです。

海外労働は、実は女性やシニアほど、インパクトはありません。また、実は隣の国、中国において、2017年以降は労働力不足に陥るといわれています。一人っ子政策の弊害ですね。若い働き手がいないのです。となると、何が起きるのかというと、海外労働者の獲得競争が起きます。ここにおいて、賃金もそうですし、法的整備も追いついていないというのが現状です。

生産性については、「長時間労働」撲滅の機運からいっきに注目度があがってきました。AIやIot技術の導入やHRテックによる最適な人材配置による個々のベストパフォーマンスの追求です。ここは企業努力によって十分可能ですし、細かいことをいえば、MTGや資料作成の無駄など、個人でもできることが十分ある領域です。

また先日も書きましたが、週休1日から週休2日はなぜ、起きたのか。はじめたのは民間企業の松下電器産業です。松下電器産業の故松下幸之助氏が海外を視察し「量より質」を目の当たりにして、休みの1日を休養、休みの1日を教養とする、としたのがはじまりといわれています。ひるがえって、もっと生産性をあげるのであれば、社会人の学習効率をあげていかなければなりません。

最後に。
女性の活躍推進がもっともインパクトがあるといいましたが、実はもうひとつインパクトを与えるであろう事実があります。それが「介護問題」です。2017年以降、親の介護が次々と顕在化し、企業の中間管理職というもっとも大事なポジションの人たちの労働に影響を与えるといわれています。そのため、危機感のある企業ほど、テレワークなど、対策を講じており、この介護問題の強制力によって、女性のM字カーブの解消も期待されていたりします。

こうやって考えると、働き方改革は待ったなしの状態。
一人ひとりがより良い働き方を追求しなければならない時代がすぐそこにあります。

ということで、簡単にレポート内容を紹介してきました。政府機関、各民間シンクタンクでも働き方に関するさまざまなレポートがでてきています。今後は注目度の高い資料について、「ざっくりいうと」シリーズでお届けしたいと思います。

これからのビジネスパーソンはMBAよりもPTAの経験が大きいという話

「chibiさん、いまの時代、MBAよりもPTAだよ」

先日、某著名なビジネスパーソンからいただいた言葉です。インパクトのある言葉でずっと頭の片隅に残っていたので、ちょっと頭の整理の為、今日はこの話をしたいと思います。

そもそも、なぜPTAがMBAよりも現代のビジネスパーソンに好影響となるのか。

ヒントは、「ダイバーシティ(多様性)」です。

同一的、画一的な人材だけの組織よりも、多様な価値をもった人材が掛け合わさった方が企業活動が活性化されるという背景のもと、多様性のある組織が好ましいという流れがあります。そして、多様な人材を巻き込み、成果を挙げるにはどうすればいいか、といえば、当然、多様な人材の価値観の理解が必要です。そして、本当の意味での理解は、「体験」が大切になります。

では、改めてPTAという組織を考えてみます。

PTAの主目的は、子どもの生活基盤となる家庭と、勉学の場である学校が協力して「子どものためによりよい教育環境をつくること」。そこに参加するひとは主に女性(ママさん)が多いのではないでしょうか。家庭環境、子どもの教育方針、熱意もバラバラ。そこをまとめていかなければなりません。

そして、ここでふと考えてみてください。

こう考えると会社の「マネジメント」に近いと思えないでしょうか。目的の方向性を擦り合せ、さまざまな意図をもった人材の意向を汲み取り、目的の達成に向けて、落としどころを見つけ、実行していくわけです。とくにPTAでは、ママさんが多いということもあり、ワーキングマザーの考えを理解するという意味でさらに効果的といえます。もしかすると話題のモンスターペアレンツもいるかもしれませんが、それも経験です。

今回はPTAを挙げてみましたが、マンションの組合だってそうですし、保育園の保護者会もそうですし、バックグラウンドがバラバラな人材をまとめあげる経験は、今後のビジネスパーソンの価値になるわけです。貴重な「体験」が得られるからです。

最近、脳神経科学の進歩により「ひとは、論理よりも感情によって動く」ということがわかってきました。そして、感情を動かすには「体験を伝える」ことが有効となります。

言葉を換えると、
相手に「体験されながら、話をする」というのがポイントになります。

話をする中で、相手が体験したかのように感じ、自分ごととして捉えることが大事ということです。つらつらと書きましたが、総論、ダイバーシティが推進される中で、マネジメントに効くのは何か、という観点でPTAの体験は貴重です、という話でした。ただ、MBAがダメという話ではありません。

しかし、生活(ライフ)の中に仕事に役立つ経験がたくさんあるので、そこをむしろ面倒くさがらずにあえて「新しい経験を取りにいく」ことが成長を促進させるのかな、、、、と考える週末なのでした。

生活が仕事に好影響を与える「ワークファミリーエンリッチメント」という考えがあるので、もう少しこの観点を機会があれば、深掘りしてみたいと思います。