小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

コミュニケーション手段が多様化する時代の在り方を考える

最近、わたしの周りでは、こんな記事が話題になっていました。

www3.nhk.or.jp

主題は「固定電話の必要性の有無」について。記事の概要は以下のとおり

・IT企業を中心に、固定電話を置かない企業が増加中
・固定電話を置かない企業の主要チャネルは、チャットやSNS
・企業によって代表電の受け取り先はアウトソース先。必要なもののみ社内共有
・一方で、あえて固定電話を置く企業もあり
・コミュニケーションの手段も多様化して、上手に使い分けることが必要

話題になった背景は、大半の意見は「電話はいらない」というもの。実際に社内外のコミュニケーション手段はツールの種類も含めて多様化が進んでいます。中でもビジネスSNSやチャットツールの伸長は凄まじく、記事内で紹介されているチャットワークは、ここ3年で利用企業数が3倍以上に増加。さらに転職サイトの求人に目を通すと応募資格の欄に「ビジネスチャットの利用経験」といった内容を記載する企業も出てきています。

では、ここであえて課題に挙げたいと思います。それは、「最適なコミュニケーション」とは何か、ということです。というのは、この「電話いらない」論調には違和感を覚えることが多い為です。

なぜ、違和感を感じてしまうのか。

理由は目的の達成と時間の効率化を果たせれば、チャネルはその手段でしかないから。それなのに長短の理解を棚に上げて、白黒をつけたい声が多いことにどうしても違和感を感じてしまいます。例えば、コミュニケーションをとる必要があるのは、ほぼ「ホウレンソウ」に集約されるのではないでしょうか。そして、報告、連絡、相談の目的を果たすことができ、そのコミュニケーションに関わる人物の仕事の効率を妨げなければ、手段は都度選択すればいい、と個人的には思っています。

しかし、実はここには課題があります。

それは、ビジネスSNSやチャットなど、新興コミュニケーション手段には一定のスキルと経験が必要ということ。また、ビジネスSNSならではのコミュニケーションがあり、双方のコミュニケーションの理解度をそろえる必要もあります。慣れといえるかもしれません。例えば、クライアントからの技術的な質問のケースを想定します。問い合わせがあった際に、ビジネスSNSやチャットがあれば、素早く知識ある人に問い合わせて、「これが参考になるのではないか?」と記事のURLをクライアントに2、3送るだけで必要なやりとりは完結するかもしれません。必要あれば、別途詳細を調べて送るだけ。一度に完璧に返答する必要はなく、必要最低限の情報をスピーディにやりとりし、情報を積み上げていくコミュニケーションになります。またFacebookのようなメッセンジャーを活用する際には、いいね!ボタンで完結するかもしれません。その方がクライアントにとっても誠実なケースも。電話文化に慣れすぎていると、上記のコミュニケーションは軽く、違和感を感じるかもしれません。

コミュニケーション手段の多様化により、中身自体にも変化が起きています。そして、そのコミュニケーションの理解度を深める必要性があります。いまはそうしたコミュニケーション理解を深める過渡期なのかもしれません。

ただ、コミュニケーションのいちばんの根底にあるのは、「誠実な対応」と信頼ではないか。まずはお互いのコミュニケーションのプロトコルをそろえることに尽力し、最適なコミュニケーションを都度選択できること。より良いコミュニケーションの在り方をそれぞれの環境で模索し続けることがこの過渡期に必要なのではないか、とふと思いました。

(余談)
ちなみにわたしは電話をほぼ使用しません。コミュニケーション手段はビジネスSNSが中心で、チャットでほぼ解決。外部パートナーとの意見交換やMTGなどは、あえて電話(Skypeなど)で実施することもありますが、必ず始めと終わりの時間を決めて実施しています。話をしたいからと唐突に相手に電話をすることもありませんし、逆に唐突に内線を受けることもしません。時間は有限。なるべくスピーディに目的を達成するコミュニケーションがどうあるべきかは、考える必要があると思っています。

いつの間にか上達する息子をみて、思うこと

子どもは、いつの間にか成長していくもの。
そして、気づかないうちにいろんなものを身につけていく。

そんな風に思わされた週末のひととき。

何がというと、4歳の息子のことです。今週末は天気がよかったので、ボールを持って近くの公園に。駐車場から広場に向かう中、ボールを器用に足裏でコントロールする息子。ボールをそっと押し出してドリブルし、行き過ぎると足裏で器用に止める。実は先月までただただボールを蹴ることしかできませんでした。コントロールもままならず、すぐに手を使うのが1カ月前。それがいつの間にか、ここまでできるようになっていました。

息子は最近、サッカーにハマっています。とにかくボールを蹴ることが楽しいみたい。今日はドリブルからのシュート練習を勝手に始めて、生意気にも「股抜き」シュートを狙って、成功すると大喜びしていました。「やったー、やったー!」と飛び跳ねて喜ぶ姿に、息子自身が成功体験を素直に喜んでいることが嬉しかった。

当然、放置していて成長があるわけではありません。1カ月の間に3つの変化をつけてみました。前振りが長かったけど、今日はその実施したことの振り返りコンテンツです。日記であり、落ちはありません。

さて、改めて息子がサッカー(というより玉蹴り)に興味をもったので、3つの変化をつけました。内容は、以下のとおりです。

1.本格的にサッカー教室に入れたこと
2.動画を見せるようになったこと
3.自分自身も同様の練習をするようになったこと

1.は分かりやすく興味をもったので、サッカーの教室に入会することになりました。教室は、週1回1時間。ただ、サッカー教室への入会で気をつけたことがひとつ。

息子の性格に合わせたスクールを見定めたこと。

ありがちなのが、地元の有名なサッカースクールに入れること。しかし、それはしませんでした。息子のサッカー教室は、息子が所属する年中さん、年長さん含めて4人しかいません。あえて少人数にしたのは、理由があります。それは、息子は自分のペースで学ぶことを好み、じっくりと技の鍛錬をすることが好きだから。ボール蹴り以前はストライダーにハマっていたということもあり「自分で課題をみつけ」「自分のペースで学ぶ」ことに慣れていました。そのため、以前、市民団体のサッカー教室に連れて行ったところ大失敗。「みんなで○○」という協調性を学ぶ要素が強すぎて、好きなようにボールに触れることができない。例えば、試合になるともみくしゃになりボールに触れない息子。


「みんながボールを蹴るのを邪魔するんだ、、、」という息子に「そういうスポーツだろ」と言いたいところだったけど、息子の純粋に「楽しみたい」という気持ちを尊重して少人数のチームを探したというのが背景があります。結果、コーチとの相性もよく、少人数なので、常に課題に取り組む息子へフォローをしてくれる。まずはボールに慣れること、ボールをコントロールする楽しみを覚えること。それがハマりました。

2.動画を見せること
最近は、小さな子どものサッカー練習動画がYoutubeにゴロゴロとあります。この中で、年中、年長ぐらいのドリブル練習に使えそうな動画を集めて、「息子のサッカー練習」と題して、編集しました。それを単にTVに流すだけ。余談ですが、いちばん見ているのが、この動画です。

www.youtube.com

息子が積極的に見る、というよりも、単に流すというだけ。自然に目に留まり、言葉には出さないけれども、「あの技、次はやってみよう」という頭が働いているように思います。

3.親もいっしょに練習する
実はサッカー経験がある自分。なので、ボールを購入し、息子が受けたレッスンのメニューや上記の動画でやっていることを、自分も息子の前で練習しています。サッカー経験者ならわかると思いますが、上記の内容であっても相当できる部類。自分も失敗をしながら、コントロールするところをいっしょにやっています。ある種、息子と競争している環境をつくりだしています。なぜ、こうしたか、というのはストライダーのときの学びなんですが、息子の性格上、「○○ちゃんに負けたくない」という思考が働きやすいため。だったら、いちばん身近なところにライバルをつくればいいじゃん、ということで対象となっているのが、自分というわけです。

振り返ると上記3つがうまく機能しだしている、といえます。では、次からはどうするのか。課題があるとすれば、ひとつは息子の自己認知のお手伝い。例えば、息子の現実のプレーとイメージのプレーとの差異や上記の掲載動画など、他者のプレーとのGAP認識を助けることができないか。あとは、息子が「やりたい」という気持ちにどう時間をつくるのか、という親側の環境づくりの改善でしょうか。

息子自身が無理なく課題を発見する手助けをすること。あとやっぱり夢中になっているときに没入して学ぶ、という経験があっていいので、例えば、朝方に少し時間をとってみるとか、親側の環境整備には改善の余地がありそうです。


以前ブログに書いた、こんな学びを活かしてみたいと思います(笑 親も日々学びたおす、ということで、明日は息子のサッカー教室の日。先週からの成長と息子の課題発見を楽しみにしたいと思います。

ではでは。

1週間で気になった記事を改めて洗い出してみる。そして、考える(2017/07/08)

Facebookなどで情報収集しています。例えば、記事のURLもそう。知人のコメントもそう。何か気になることがあれば、Facebookのアクティビティログに履歴を残し、1週間たったところで読み返すということをしています。

今日も1週間、自分自身が気になった記事などをピックアップし、深掘りしてみます。

==【chibi がいいね!を押したコンテンツ】

1.

マザーハウス副社長の山崎さんのインタビュー。
テーマは、会社の存在意義で山崎さんは会社の存在意義は「コミュニティと生産性」と答えています。

トーリーがあるプロダクト開発が特徴のマザーハウス。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という明確なビジョンのもとには、その理念に共感した人たちが集まります。そのミッションや理念を共有した仲間と仕事がしたい。そのためのコミュニティ=会社である、といいます。

そして、「コミュニティをつくるのに、会社でなければならないのか」との問いに「もっともボーダーレスなコミュニティこそが会社」といいます。7カ国ではたらく従業員がみな、同じ共通の理念のもとで仲間意識をもつ。これがすごいことと解きます。

www.youtube.com


(個人的な学び)
多様な働き方が生まれる現在、会社という共同体の在り方も変わってくる。その上で、なぜ、会社というものが存在するのか、といえば、ミッションを実現したい仲間が集まるコミュニティが必要だから。会社がいちばんボーダーレス性が高く、国をまたいで仲間をつくる場になるから。そして、単にミッション達成を担うわけではない。人のライフステージが多様化する中で、その時々で弱者が生まれる。それを許容し、支え合える、育てられる持続性の高いコミュニティは会社という存在なくしてはありえないのかもしれない。

そう考えると、ビジョンの共感、育成の責任、そして支え合いなど、コミュニティに所属する上での約束ってもっと重みをもつよなと考えさせられました。

2.

www.businessinsider.jp

個人的に大好きな産業医の大室さんの記事。長時間労働過労自殺の現場から現代人が陥りやすい考えを産業医視点から切り込んでいます。

(個人的な学び)
→現代人は脳を働かせ過ぎ。オーバートレーニング状態を見極める
→働かせるのであれば、休息を視野に入れるべき。※例:ベゾス8時間睡眠
→ありのままの状態を受け入れてほしい世代あり。世代間の違いを理解すべし

相変わらずたとえ話が秀逸であり、その差し込むタイミングも絶妙。以前、取材した際にもこの適度な頻度かつウィットに富んだ例えが大室さんのトークの強みですね。


3.

type.jp

あまちゃんサラリーマンNEOを手がけた吉田さんのインタビュー。人には価値観があり、容易にそれを人に押しつけがちになる。しかし、価値観を捨てることはできない。では、どうするのか、といえば、「距離を置く」ことが大事であると解きます。

その具体的な手法が「瞑想」。部屋を真っ暗にして今日の1日を振り返り、感情を一つひとつ解きほぐす。どんな話を誰として、どんな感情を抱いたのか。その感情をそっと手にボールを持つようにして包み込み、目の前に流れる川にそっと流してあげる。そうすると、自分の感情が流されていくので、自分自身を客観視できるようになっていく、といいます。

実は、あまちゃん公開が終了した頃、吉田さんにインタビューしたことがあります。いまでこそ大成功しているプロデューサーですが、NHK入社時はいちばんできないディレクターだったといいます。転機がサラリーマンNEOの企画。自分がやりたい番組ではなく、知人が「NHKがバラエティやったら面白そう」という話をキッカケに自我を捨てて望んだ企画が大ヒット。それからも一流の俳優たちの仕事ぶりを目の当たりにしてこの「客観視」することの重要性を独自に学ばれたのではないか、と推測します。当時のインタビューでは脚本家のクドカンさんや女優の小泉今日子さんの仕事ぶりに影響を受けたと話をされていました。あのインタビューから3年。以前、お話を伺ったときよりもその「客観視」するための独自の手法のディテールが語られており、個人的に楽しんで読めた記事でした。

(個人的な学び)
→客観視できることで、いまの感情を冷静に受け入れられる
→客観視できることで、冷静で適切な行動ができる
→客観視を鍛えるのに有効な手段「瞑想」 ※自分もやってみようかな。

4.

newspicks.com

またまた産業医大室さんのコンテンツ。現代の上司と部下の関係がテーマで、「褒め」と「叱り」について語られています。関係構築において都合のよいマジックワードがあるわけではなく、褒めるも叱るも、小さな指摘の積み重ね。基本的なことかもしれないけれど、真摯に対話し続けるしかない、という基本を改めて思うコンテンツでした。

 

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ということで、まだまだたくさんPICKしている記事はあるものの、働き方文脈で気になったのは上記の4本。とくに2本が産業医大室さんの記事で、その多様な視点とわかりやすく読者に伝える例えの数々は大きな学びでした。

そんなこんなで夜が明けようとしています、、、、眠い。
健康管理が大切とコンテンツで上げていながら、それを実践できていないジレンマを抱えながら、就寝したいと思います。では、よい週末を。

「休む技術」「整える技術」に無頓着な現代人

プロのスポーツ選手であれば、最高のパフォーマンスを出すためにコンディションを整えるのは当たり前のこと。では、プロのビジネスパーソンは最高のパフォーマンスを出すために、日々、最高のコンディションを整える努力ができているだろうか。

とある、経営者が投げかけた問いです。

最近、生産性向上ということから「短い時間で、パフォーマンスを出す」という技術はより進歩しているように感じます。例えば、自身の強み、弱みの自己認知の向上、より没入して仕事に打ち込むための集中する技術、テクノロジーの活用など。ひと昔前に比較すると、自身の最適な能力開発における体系立てをしやすいのではないでしょうか。

ただ、これだけでは持続的なパフォーマンスを発揮することはできません。

スポーツに例えるといま、紹介したものは能力開発と捉えることができます。あとパフォーマンスを発揮する上で何が大事か。そうです。コンディションを整える、身体を休ませるという観点が欠けています。

最近、あるサッカー選手の記録が話題になりました。サッカー好きの方ならばご存知だと思いますが、横浜・F・マリノス中澤佑二選手が「140試合、連続フルタイム出場」という偉業を成し遂げたのです。なぜ、この記録がすごいかというと、ひとつは、年齢です。中澤選手は現在39歳。ベテランでいながら、常に出場し続け、若手に負けないハイパフォーマンスを出し続けたんです。もうひとつは、ケガをしなかったこと。サッカーはケガをしやすいスポーツです。特に中澤選手はセンターバックという相手FWとガチガチに身体をぶつけ合うポジションでいながらこの140試合、大きなケガをまったくしなかったのです。

そんな中澤選手にまつわる話が、ストイックすぎる健康管理です。

食事は、決まって朝、昼、晩きちんととる。また栄養管理も徹底していて南アフリカWカップ敗戦直後の夜、バーに行ったとき、他の選手はアルコールを注文したところ、カフェオレを注文したというストイックすぎる逸話が紹介されています。


徹底しているのは、食事の管理だけではありません。もうひとつの秘訣は睡眠時間の確保。FOOT×BRAINというサッカーを深掘りする番組に中澤選手がゲストで出演したとき、就寝は決まって22時。起床は、6時。しっかり8時間睡眠を確保することが大事だと語っています。ちなみに8時間というのは、睡眠上大事な数字で、Amazonジェフ・ベゾスなど名だたる経営者も「8時間の睡眠」を公言しています。


そして、中澤選手は、FOOT×BRAINの番組でこう話をしています。

僕はテクニックとかスピードとかサッカー選手として大事な部分が他の選手よりも劣っているところがあるので、じゃぁ、どの部分で戦った方がいいんだろう、どう補えばいいんだろう、と考えたときに、サッカーのグラウンド「以外」のところでどれだけ他の選手と差をつけられるか、を考えました。

 

パフォーマンスを考え続けた結果が、食事と睡眠だった、というお話でした。

なんでこんなテーマをあげてみたかというと、最近、生産性向上の話題が過度に行き過ぎていて、個への負担ばかりが増え続けているように感じたからです。前は○○時間でできていたことが、いまは半分の時間でできるようになりました、と美談のように語られるケースです。コレ自体は素敵なことですけど、持続可能性という観点でみるとどうだろうか、というケースもないとは言い切れません。

身体を酷使しすぎではないか。
心のケア、充足はできているだろうか。

もしかすると、「休む技術」「整える技術」を磨くことが、他者と比してよりよいパフォーマンスを出し続ける近道であり、本当に意味での生産性向上につながるのかもしれません。

最後に。

何気に健康管理については以前、こんな記事も書きました。


で、結果は?というと、実践できていません。。。。
はい、わたしも精進します。

雑談の捉え方で組織の生産性が変わる、という話

最近、これからのマネジメントをテーマに取材をしたり、多方面で記事を読みあさったりしていると、ひとつのキーワードが出てくることが多くあります。それが「雑談」です。そこで唐突ですが、読者の方に質問です。あなたの職場では「雑談」はポジティブに捉えられているでしょうか。ネガティブに捉えられているでしょうか。

どうやら、この雑談の捉え方によって、組織の生産性が大きく変わる、というのが今日のお話です。まずは、最近気になった「雑談」にまつわる記事を紹介します。


最初の記事で指摘されているのは、グループのもっとも重要な成功の予測因子は、同僚とのやり取りの量であるということです。またここが重要で、あくまでも量が大切であり、質ではないといいます。話す内容は無関係で、技術的なことであろうと、単なる暇つぶしのおしゃべりであろうと、他人と話しをすればするほど、生産性が向上するそうです。お金をかけないものとして、食卓のテーブルを大きくして大人数で交流を促したところ、パフォーマンスがあがったという話も。

2つ目の記事は、ホウレンソウのつぎは、ザッソウ(雑談の雑、相談の相)が重要になるという話。とかくイノベーションにつながる突飛なアイデアは、チームの雑談の中から生まれるといいます。そして雑談は、心理的安全がキープされて初めて成るという話です。また雑談のある職場は、何より「楽しそうだ」とも言っています。

また、雑談の効能として「相談しやすくなる」という効果も。物事を解決するのにいまは個ではなく、チームで解決していかなければならない。そのときに、チームの人となりがわかり、知っている人が困っていたら自主的に助けたいって思うのが、人間の性であり、これが有機的にチームワークにつながることが指摘されています。

3つ目の記事は、糸井重里さんのほぼ日の話。実際にその組織で働いた社会学者がほぼ日の不思議な雑談の文化にアプローチしたものです。ほぼ日刊糸井新聞のようにメディアを運営していることもあり、社員のクリエイティビティを発揮させる上で、雑談は重要な機能を果たしているという指摘がされています。そして、自身がグッときたのは、この言葉「あえて意地悪く言えば、(雑談は)組織のなかで半ば強制的に各人の個性を磨いてつくり上げ、個々人の特性を使い倒そうとする姿勢と習慣だと言い換えることもできる」というもの。雑談が個々人の個性を磨き、特性をあぶり出し、それを使い倒すための機能的なものだといいます。使いたおすってすごい言葉ですね。

4つ目の記事は、元Googleのアジアパシフィックの人事責任者の記事です。Googleの最高の上司は、メンバーのパフォーマンスを引き出すために「質の高い雑談」しているというお話。質の高いとは、メンバーの価値観が形成されてきたバックグラウンドがわかる雑談のこと。マネジメントする側はこのたわいもないと思われる会話の一端から、さまざまな情報を取得する。そしてチーム間の相互理解の深まりが心理的安全をつくる土壌になることが指摘されています。

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総論、乱暴ないい方ですが、「雑談が組織の生産性を向上させる」という話です。もともと経営管理における考え方の大部分は、フレデリック・ウィンズロー・テイラーのルーティンの標準化とプロセスの最適化が生産性の肝という科学的経営管理に沿ったものです。一方で、モノを大量に生産した時代から、シェアリングといった新しいモノサシが価値を生む時代には、他にはないクリエイティブが付加価値を生む時代になります。そのため、過度な標準化を進め、無駄を削ぎ落とすプロセス最適化では必然的に社員が歯車化し、持続的成長を阻む要因となることは否定できません。これからのマネジメントは、個の特性を活かしきること。そして、チームとしてアイデアを昇華させる仕組みをつくることが、生産性を大きく飛躍させるヒントがあるように感じます。

そして、生産性を支える機能のひとつが「雑談」というわけです。

ただ先ほど「乱暴」といったように、職場でただ雑談した方が生産性が高まるという指摘もわたしは違うと思っています。実際に上記に挙げた組織の方にお話を聞くと、「組織の目的を理解している」「社員の自立性が高い」など、雑談で得られた情報やアイデアをしっかりと仕事に落とし込む素地が整えられているという背景があります。

昨今、働き方改革の名の下に「長時間労働の是正」が叫ばれています。中には、時間当たりの生産性を向上させるために無駄と思われがちな「雑談」を排除するという職場もあるのではないでしょうか。しかし、会社を大きく俯瞰すると持続的かつ創造的な組織には、そのコアバリューを支える「雑談」という機能が組み込まれている可能性があります。自組織のパフォーマンスの源泉の理解不足により、実はそれを支える雑談の価値を誤って評価していないか、もう一度振り返る必要があるかもしれません。

さて、ここで改めてこの記事の最初の質問をしてみます。

あなたの職場では「雑談」はポジティブに捉えられているでしょうか。
ネガティブに捉えられているでしょうか。

その根っこに、生産性向上のヒントが隠されているのかもしれません。


 

良い子では、ゲリラ戦に勝てない

目的達成のために、手段をどう選択するのか。

唐突ですが、最近こんなお話を伺いました。先日、とある経営者とお話をしていたときの話題です。内容は「弁護士への相談からみる米国の経営者、日本の経営者の違い」についてでした。ここのスタンスの違いがとてもユニークだというんです。

日本の経営者は、弁護士にこう相談するんだそうです。
「この事案について、白黒つけたい。白か、黒か、教えてほしい」

黒であれば、もちろんNG。白であれば、GO。世の中には、白なのか、黒なのかが分からない灰色という「際(きわ)」というものが必ず存在します。日本の経営者は、このグラデーションの部分について、白黒つけることに注力する傾向があるそうです。

一方で米国の経営者は、弁護士にこう相談するんだそうです。
「この事案について、灰色を白に見せる方法を教えてほしい」

上記で挙げた際(きわ)の部分、グラデーションで黒とも判断できるかもしれないし、白とも判断できるかもしれないこの中間色を白に見せることに注力する傾向があるそうです。

法や規則に対して黒であれば当然、事業に対して致命傷となるため、やってはいけない。これは当たり前です。ただ、致命傷を負わなければ、よし。目的のためにまず前進させるというスタンスは、早期の「目的達成」を第一と置いていると受け取ることができます。一方で白黒をつけるというスタンスは、「致命傷を絶対に負わないこと」を第一として、実は目的達成を遅延させているともとれます。

このエピソードを聞いた際に、いろんな場面でありがちだな、と。

目的達成した方がよいと合意形成ができていながら、「でも、この懸念が、、、」とリスクを洗い出すことに全力を注ぎ、進捗が遅延し、いつの間にかリスクを潰すことが目的化しているケースです。

白黒つけられない部分があるかもしれないけど、まずは前進させること。
白黒つけられない部分があるから、まずは白黒をつけて前進させること。

ケースバイケースであるものの、ビジネスのスピードが早くなる中で、どちらがより早く目的を達成できるのか。いつの間にか、目的達成よりもリスク回避が目的化されていないか、いま一度、自分の進捗の在り方を考えるキッカケにしたいと思いました。

組織における正規戦だけにこだわっていては、
不正規戦(ゲリラ戦)に勝てない(のかもしれない)。

取材先選定をどう決めるのか、をまとめてみた

編集視点で、旬な情報を取得する方法から取材のちょっとしたTIPSを紹介したところ、多くの反響をいただきました。ありがとうございます。

chibiblog.hatenablog.com


一方で情報収集や取材の話をしていたところ、知人から「取材先選定をどのようにしているのか、も聞いてみたい」という要望をいただきました。ありがたい話です。「企業秘密なのでは?」という話もありましたがそんな大層なものでもないので、こちらもざくっとまとめて公開しました。あくまで、自メディアの取材先を決める軸なので、参考程度でみてください。

■取材先を選定する上で、大切にすべきこと
まずは、取材先を選定する上で大切なことがあります。

1)メディアのテーマに沿った取材先であること
メディアを継続させていく上で「メッセージ」の一貫性は大事です。よくやりがちなのが、有名人でBuzzりそうだから、選定したというパターン。そこに必然性はありません。

2)信頼できる人であること
本を出版しているなど、世の中に一定の知名度をお持ちの方はいますが、実は同業界で評判が悪い人もいます。その悪評を知らずにメディアで取り上げると「あっ、このひとを取り上げてしまうのか、、、残念」と、発信する情報の信頼度を下げてしまうことになります。そうしたリスク対策として、同業界に詳しいかつ信頼できるひとに確認することも大事です。

3)今回の企画趣旨のテーマへの必然性があること
1)や取材のテクニックの記事にも書きましたが、なぜ、その取材先なのかという必然性があること。逆に、そのテーマならば、もっと読者の共感を得るひとがいるという話であれば、まずは候補に挙げてみることが大切です。


上記の3つはMUST事項です。では、1)、2)、3)を判断する材料をどう取得しているのかというと、ブログや日頃のFacebookの投稿などです。こうした生の声を判断材料とします。また、人や業界に詳しい方がネットワーク(人脈)にいれば、率直にその方の評判に関するヒアリングをします。なぜ、そこまでするのかといえば、読者の「信頼」を裏切らないようにするためです。

■「有名人(インフルエンサー)」ではなく「良き応援者がたくさんいる人」
取材先の選定として、もうひとつ大事な要素があります。それは「デリバリーの能力」です。デリバリーとは、FacebookTwitter、インスタなどに代表されるSNSの拡散になります。なぜ、大事なのかというとできた記事がいくらよい内容であっても、SNSを代表とする記事のデリバリーを抑えない限り、読者の手元に広く届けることはできません。

ありがちなのが、「有名人(インフルエンサー)」を取り上げれるというのがわかりやすいのですが、オウンドメディアという弱い立場の場合、大手メディアに露出で叶うことはできません。またインフルエンサー ≒ 大手メディアに露出したことがある人というケースがほとんどです。この場合、既存の記事と内容が重複することが多いため、二番煎じとなりやすく、話題となるコンテンツになりにくくなります。

では、どうするのか。

大事な視点は、有名人ではなく、「良き応援者がいる人」を取りあげるということです。インタビュイー自身ではなく、インタビュイーを囲む人たちです。「○○○さん、いつも応援しています!」「そのサービス、いいね!応援しているよ」といつも声をかけている人たち。この方々がどんなひとで、普段どんな言動をしているのか、というのをチェックしています。この囲むひとたちをLinkedinなどに習い、1次ネットワークとします。この1次ネットワークが上記の3つを満たし、インタビュイーの周りの方も共感するスイッチを押せるのであれば、デリバリーの経路はすでにできているものと同じです。

ちなみに、インタビュイーと囲む人(応援者)の場合、どちらが拡散にとって重要かというと、囲む人(応援者)の方です。実はインタビュイーが有名でなくても、応援者のデリバリー力が強ければ、SNSでコンテンツを流通させることができます。よくあるのが、まだ露出が少ないベンチャーの経営者(インタビュイー)と応援する人(著名なVCの方やベンチャー経営者)というパターンです。

逆にインタビュイーが有名で、囲む人はデリバリー能力がない、というパターンもあります。例えば、有名な学生ですね。インタビュイーはインフルエンサーであるが、まわりの学生はふつうの学生。この場合は流通経路が細くなるので、インタビュイーがいくら有名であっても、1次情報の先にコンテンツが流れることはありません。

結論、デリバリー経路の設計を組み立てられる、というのも小さなメディアでは大切な視点になります。ひと昔前はKLOUTスコアなるものがあって、簡単にインフルエンス力を定量化するツールがあったので、この定量数値を見ながら、取材先を決めたという経験からいまの軸ができたという背景もあります。

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いかがでしたでしょうか。

コンテンツをリリースして、取材先のインタビュイーのメッセージが世に出て、応援者がそれを支援し、読者はそのメッセージに共感したり、気持ちを揺さぶられたり。ときにはSNSで議論が勃発して、より観点の深掘りができたり。そうした場をプロデュースできるイメージがつく、というのが最終的な選定のポイントになる気がします。

もちろん、各メディアごとに読者層もインタビュー先も異なるため、参考になるかは分かりませんが、もしひとつでも得られるものがあったというようならば、うれしいです。また要望がありましたら、それに合わせて記事を書いてみようと思います。ではではー。

相手の内面を引き出す、取材のテクニックについて

メディアの編集を担当していて、もっとも大切なプロセスのひとつが取材。この取材の出来いかんでその記事のクオリティが100にもなるし、10にもなる。だからこそ、この取材のクオリティを上げるということに注力しています。ということで、これもよく聞かれる話題のひとつだったので、よいコンテンツをつくる上での取材テクニックをざっとまとめてみました。

■そもそもなぜ、取材をするのか:
取材は、読者コミュニケーションを支える素材集め。料理に例えると、食べるひと(読者)をイメージして料理の具体的イメージをつくり(企画/構成)、素材(ネタ)を集める。コミュニケーションはあくまでメディアと読者との間にあるのだけど、インタビュイーと読者のコミュニケーションとも捉えています。コメントとかあたかもインタビュイーと読者が対話しているように。

そして、その対話にはメッセージがのります。そのメッセージが読者に刺さるのか、否かは、取材で感情が乗った言葉をもらうことができたのかにかかっています。いい素材をいただければ、よい料理ができるわけです。

■取材時の大きな流れ:
信頼 → 安心(リラックス) → 熱中 → 本音 のサイクルをまわせるか

何度も取材をした方であれば、信頼関係が一定担保されています。一方で初めてだと「彼は、安心して話をすることができる相手なのか」と警戒されています。だからこそ、まずは信頼できるインタビュアーだと思ってもらうことが大事です。では、どうその場を整えるのかを書き出してみます。

1)何を目的としたメディアで、どんな人が読者なのかを伝える
…メディアの大テーマと、読者層(年齢、職域、男女比など)を伝える。メディアの趣旨に賛同できる、というだけでもグッと距離が縮まります。

2)なぜ、今回取材を申し込んだのか、背景を伝える
…インタビュイーに取材対象とした必然性を伝える。なぜ、あなたなのか、が伝わるだけで、「自分のことをよく調べているな」と思われ、インタビューに入る雰囲気をつくることができます。

3)取材時間の確認を行う
…「○○時○○分までの90分でよろしかったでしょうか?この直後のご予定などございますでしょうか?」と、相手のスケジュールを確認する。配慮をすることで、安心してお話をいただける状況をつくることができます。

逆にインタビューに入る前に、上記のような配慮なしに一方的に取材に入るとインタビュイーに警戒されてしまい、本音を語ることなく時間が過ぎることになります。実は、この入りで取材の成功が大きく左右されることになります。

■安心を生む質問を投げかける:
1)最初は、事実ベースの問いを投げかける:
インタビューでは、まず相手が話しやすい場をつくることが大事です。そのため、まずは「事実ベース」で答えられる問いを投げます。例えば「いまのお仕事は?」「どんなお仕事をされてきたのか?」など。プロフィールを見ればわかるような内容であっても、まずは相手が話しやすい「事実ベース」から話をスタートさせることが場を和ませ、リラックスさせることにつながります。

2)対話を楽しむ:
質問は、事前に決めてきたことではなく、相手の会話を基に質問することです。事実ベースで安心のベースが整ったら、徐々に相手が熱中するポイントを引き出していきます。ここでは、事前に想定していた仮説をぶつけにいくことになります。うまくハマれば対話が熱中してくるはず。

ここでの失敗パターンは決めてきた質問項目に対して、一問一答になるパターン。これだと対話が白熱し、熱がこもることがなくなるので、感情がのったメッセージを拾うことができません。

■本音を引き出す質問テクニック:
1)沈黙を大切にする
準備してきた取材であれば、深掘りする決めの質問をいくつか用意しているはずです。徐々に対話が白熱したところで、その質問を投げかける。おそらく思考に入り、じっくり考える時が出てきます。そこで、じっくりと時間を掛けること。わたしの場合は、この沈黙の時間では絶対に相手が話を始めるまで声を出すことをしません。なぜならば、安心の場でインタビュイーが内にある気持ちと対話を始めた時間だから。ここで絞り出された言葉が、実は強烈なメッセージになります。

2)同じ質問を繰り返す
上記の深掘りする決めの質問がありますが、あえて、取材終了間際に「今日のお話の中で重複するかもしれませんが、」と前置きを置いた上で、同じ質問をします。話の流れの中で語ることと、全部話を終えた上で、同様の質問を投げると実は思考モードが変わっていて、より気持ちがのったメッセージをいただくことができます。また、記事に書くときに2度した質問の情報を得ることで、記事内でいちばん盛り上げたいところの情報に厚みを持たせることができます。

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ということで相手の内面を引き出す、取材のテクニックをざっと挙げてみました。その中でわたしがいちばん意識するのは、「三方よし」の関係をつくること。インタビュイー、読者、インタビュアーすべてがよかったと思える取材です。インタビュイーのメリットはその取材を通して新しい「気づき」を得られること。それを提供価値としています。だからこそ、先ほど紹介した問いに対する「間」を大事にしています。ライターの中には、この沈黙が恐怖という方もいます。逆です。沈黙は、ポジティブです。

最後に取材の締め方について:
取材で話をした後の確認事項をしっかりと。スケジュールを伝える。広報と確認者の都合を聞く(イベント、プレスリリース、海外出張など確認しにくい期間がないかを事前確認する)、(広報が同席している場合)当日の取材時にNGとなるストーリーを先に確認。また、私がよくやる手ですが、もっとより良い記事にするために「追記」の可否を確認します。これによって、構成上、どうしても具体的ストーリーなどを挙げたい部分に無理なく打診をすることができます。

ということで、ざっと自分が抑えている取材のポイントを挙げてみました。ほかにもよい取材のポイントがある方は、ぜひコメント、メッセなどお寄せください。ではでは。

先を見るために発掘するべきは、「情報」ではなく「人」

久しぶりの投稿です。今回のテーマは「情報収集」について。

メディアの運営や編集をしていることもあり、新規事業などの企画や編集など、先を見ることを主軸に置く方から「chibiさんはどのように「情報収集」しているのか?」との問いをよくいただきます。

ニュースメディアを追う?
はてなブックマークを追う?

たしかにそうした行動もしているのですが、おそらくほかの方がしていない行動がひとつあります。今日はその行動について書きます。

まず、大事な観点で目的を達成する為に必要な情報はどこにあるのか?という視点が必要です。例えば、わたしの場合は「仕事/働き方」などテーマが絞れています。これからの働き方の選択肢となりうるユニークな情報ですね。

では、こうしたテーマで面白い情報はどこから取得するのか。まず「面白い」とは、「発見 × ワクワク」であると捉えています。発見は、新しい気づき。そして、ワクワクは自分ごとと捉え、自分の未来への期待を感じている、という解釈がとれると思います。そうした意味を踏まえ、発見があり、面白い情報はどこにあるのか、考えます。

で、話題を引っ張ってきましたが、答えはシンプル。
それは「人」にあるということです。

では、そうした面白い情報が集まる「人」とは、どこにいるのか。結論、発見を与え、ワクワクさせる人の周りにはそうした方が集まります。例えば、「コミュニティ」ですね。facebookでいえば、グループ。もしくはコミュニティの長です。

ここからがコツですが、そうした方々と直接つながりがなくても、「Facebookでフォローする」という機能があるので、相手をフォローすることで言動を追っていくことができます。ちなみにchibiは、「150名のフォロー」があり、その言動を追っています。

しかし、メディアを運営していく上で、他メディアとは異なる人を追い、新たな発見を読者に提供していかなければなりません。だからこそ、ここでもうひとひねりします。それは、こうしたクラスタの長が「応援している、支援している人」を探す、ということです。「○○さん、このサービス、いいね!がんばって」「このアクション、素敵です!」といった声を掛けられている方ですね。クラスタの長がこうして支援していることもあり「未来を感じる」しかし、「近い将来世の中に出る」といった要素を十分に含んでいます。こうした方々のブログやFacebookの発信が個人的によい情報の元になっています。そして、メディア人として、この方をどのタイミングで取材しようか、と追っていることがあります。

結果、これが直接会う取材というカタチとなり、仕事になり、強いつながりが生まれ、上記の情報収集方法とは異なる一次情報の取得というより信がある強固なネットワークになっていく、という流れです。

だからこそ、大事なことは情報を追うのではなく、人を追うこと。

あくまで自分の情報収集方法の一部をご紹介しましたが、何かの参考になっていたらうれしいです。それにしても、久しぶりのブログ更新で文章がいまいち。背伸びせずにゆるゆると続けていきます。

※7月から「毎日、ブログを更新するぞ」の企画が復活しました。今回の記事はキャンプに出かける前の30分で書き上げました。瞬発力を鍛えます。




テクノロジーだけの企業は、テクノロジーによって滅びるという話

「テクノロジーだけの企業は、さらに優れたテクノロジー企業の登場で滅びる。大事なことは、人とテクノロジー双方に優れていること。汗かいて、泥臭くできる人とテクノロジーを掛け合わせることができれば、なかなか真似することができない競争力となるんだ」


誰の言葉かというと今、自分が所属する会社の役員からいただいた言葉。彼は元々テック企業にいて、どちらかというとアナログな今の会社に転職してきた。そこで自分はこんな質問をした。

「なぜ、当社に転職してきたのですか?」

その問いに対する解が冒頭に挙げた言葉でした。

「テクノロジーは導入しようとすれば、どこの企業でもできる。しかし、顧客のために泥臭く、汗かく文化はそう簡単にはつくれない。ここにテクノロジーが加われば、すごい企業になると思ったんだ」。

自分よりも10歳以上は上であろう役員が、饒舌に語った忘れられない言葉。事実、会社はこの言葉を聞いたあとずっと伸び続けた。こんなことをふと書きたくなったのは、先週のカンブリア宮殿レオス・キャピタルワークス」の藤野さんの回を見たから。番組内で藤野さんのスタンスも同様のものだったからです。

共通点は、アナログな部分に価値を見いだしていること。

www.tv-tokyo.co.jp



情報を足で稼ぎ、自分の目で判断する。

アナログで、競合優位性をつくる。最近、自分が聞くのはアナログの価値をソフトに乗せるサービスや企業が伸びていること。確かにテクノロジーで急成長する企業も多いけど、2、3年でまたどこかしらの企業が台頭し、消えていく。栄枯盛衰のサイクルがとにかく早い。

アナログな企業はどうか。

真似できない部分をコアとしながら、テクノロジーでドライブをかけている。自分がお話を聞いた企業でも例えば「Linkers(リンカーズ)」のような技術の目利きできる職人が中間に立つことで成立できているサービスも多い。結局は企業の優位性を生む部分は、簡単には真似できない部分にある。

結果、「人」になる。

仮に競合優位性がテクノロジーだとしても、そのテクノロジーに優位性があるのは、いつまでだろうか?

結局は競合優位性を生むコアとなる人をどう育てるのか。
そして、その人をどう活かす為にテクノロジーを活用するのか。

何年たってもその話はいっしょで、活用するテクノロジーが変わっていくだけ。だからこそ、アナログ力を高めたい。そんなことをふと思った週の初日でした。

※今日は落ちなしの日記で完結。