小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

年齢や役職の差を感じさせない、フラットな関係づくりのポイント

「chibi(※HN)さんは、歳が20歳ほど離れているんだけど、3歳ぐらいの差しか感じないね」

先日、ある大手IT企業の役員の方とランチディスカッションをした帰りに掛けられた言葉。30歳後半の私に対して、50代中盤の経営者がふとした言葉が、なぜか心にとまり、妙なうれしさを感じた。

——3歳ぐらいしか差を感じなかった

とくに自分が老け込んでいるというわけではなく、IT業界に精通し、圧倒的に知見があるわけでもない。むしろ、知らないことの方が多い。相手は自分からみれば、圧倒的なキャリアを築いてきた方だけど、年齢や役職といったものを感じさせない関係づくりができている。

最近、外にネットワークを広げたいという同僚や社外の方から「chibiさんはなぜ、経営層のネットワークが広いのか」「どうしたらそんな人脈ができるのか」といった趣旨の問いをよくいただくようになった。あまり意識しているわけではないので答えにくかったのだけど、今回の件をキッカケにちょっとまとめてみようと思った。考えるといくつかポイントが出てきたのだけど、結局、いちばん大事なことは——

相手の話すことに「素直に」耳を傾けること。
そして、自分が引っかかったことを好奇心の赴くままに「素直に」聞くこと。

これだけだと思う。
ポイントは「素直に」という点だ。

よく会食の場でみるのが、俗にいわれる「営業トーク」が繰り広げられるシーンだ。相手の立場を意識しすぎて、とにかく持ち上げてしまう。

「すばらしい考えですね」
「大変、勉強になります」

こうした会話を気持ちいいと感じる方ももちろんいるだろう。ただ、自分がもっと対話をしたいビジネスパーソンほど、表には出さないがこうした話を嫌う傾向にあるように感じる。おこがましい言い方で恐縮なのだけど、デキるビジネスパーソンが対話の場に期待するのは、自身に新しい視点をもたらしてくれることや知的好奇心を沸き立たせてくれることだと思う。

それを前提にすると「相手の会話の内容に対して、素直に質問ができること」は大切なポイントになる。

「素直に質問ができる」であれば、知識や経験が豊富になくともできる。よく勘違いするのは、相手のビジネス経験と同等でないと、会話が成立しないと考える思い込みだ。実際は、そこはもっとも重要なポイントではない。経営者の方はよく「インターン生や入社したばかりの新人と会話をし、素朴な質問に答えることで新たな気づきを得た」という話をするが、それは「素直な質問」がもっとも本質をえぐるものだからだと思う。そこに新しい気づきがある。だからその時間、その場に価値が生まれる。

結局、フラットな関係を築けないひとは、そもそも対話のスタンスが間違っていることが多いように思う。そして、そのスタンスがマズいことに気づいていない。営業トークはその典型だ。

話を、自分に戻そう。

あらためて自分自身のことを振り返ると基本的にビジネスの場でない限り、相手の立場や年齢を気にしない。相手へのリスペクトを持ちつつも「○○分野に詳しい、面白いひと」ぐらいの感覚で接している。もちろんため口は用いない。ただ、過度な敬語も用いない。

どこまでいっても、その会話の関係はフラットである。