小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。8月限定版。

準備の量で勝負が決まるというけど、どれだけ準備しておけばいいのか。

スポーツの勝負や、ビジネス面でのコンペティションのプレゼンテーションなど、よく「勝負は、事前の準備で決まる」という言葉をよく耳にします。たとえば、8割が勝負で決まるといいますが、そうした会話の中でどれだけ準備すれば、いいのかという話はでてきません。そこで、今日はこの「準備」について、書いてみようと思いました。

このテーマを設けた際に、いちばん最初にポッと頭の中によぎった名前があります。それが、デザイナー吉岡徳仁(よしおかとくじん)さんです。


▼(参考)吉岡徳仁 プロダクトページ
http://www.tokujin.com/project/product/#

 

▼(参考)吉岡徳仁 プロフェッショナル仕事の流儀
http://www.nhk.or.jp/professional/2007/0605/

個人的にもっともファンのプロダクトデザイナーのひとりで、2005年に発表されたケータイ「Media Skin」、ISSEY MIYAKEの「TO(腕時計)」はずっと使い続けた自分のお気に入りのプロダクトだったりしました。そんな吉岡徳仁さん2007年のNHKのプロフェッショナル仕事の流儀に登場し、自分は食い入るようにその話を見ていて、中でも印象に残っていることが2つありました。

1つめは、圧倒的なデザインストックの数
2つめは、できないと思えることでもとにかく「ジタバタ」することです。

吉岡徳仁さんのオフィスには、日ごろからアイデアストックした素材がありました。不思議な形をしたプラスチックの塊、二重に見える特殊なガラスの破片、段ボールのような神の素材など。気になった素材があれば、工場に見学に行くこともあるんだとか。とにかく、おもしろい素材を見つけ、それに活かし方を考え続けることで、クライアントからの依頼があった際にポッとアイデアが浮かぶのだそうです。こうして常に引き出しを増やし、準備しておくスタンスがとても印象的でした。

ただ、面白そうな素材、おもろそうな奇抜なアイデアほど、形にするのは困難です。そこで吉岡さんがいう「ジタバタする」が登場します。締め切り間際や、イベントが開催する直前であっても、とにかくジタバタすることがあたりまえのように、アイデアを出し続け、試し続け、理想の形に近づけていきます。

プロフェッショナル仕事の流儀では、「ワインの包み紙のような素材をつかった椅子」が紹介されています。試行錯誤の4か月、最初に出てきたプロトタイプからまったく異なるフォルムになっていきます。考えつくした結晶でしょう。その変化を見ているだけでも、熟考のさまがうかがえました。最後に吉岡さんはこんな言葉を残しています。

 

自分で限界を決めないというか、限界を決めずに最後まで努力していくっていうことですかね(吉岡徳仁


「どれだけ準備すればいいのか」というテーマを掲げましたが、結局は自らの限界を勝手に決めないで、理想に向けてジタバタできたか、で物事が決まる、という話。万全の準備ができたー!!!と安心するのではなく、「もっと完成度をあげるにはどうすればいいのか」と、自分に限界をつくらない思考がもっとも大事なんだよね、とふと思ったランチどきだったのでした。

さて、はなし変わって本日は自分が主催のイベントの日です。

自分も万全の準備ができた、とホッとするのではなく、限界を決めずにジタバタしたいと思います。