読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。2月限定版。

みんなが賛成することの危うさについて、少し考えてみる

みんなが賛成することはたいてい失敗し、反対することはたいてい成功する。

 
セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役会長 鈴木敏文さんの言葉です。なぜ、この言葉をふと思い出したかというと、ある尊敬するメディアの経営者の方から、さまざまなメディアの創刊の話をうかがったからです。

あまり詳しくは述べることはできませんが、その経営者の方はとにかくエッジのたったメディアの立ち上げをされています。いずれも大ヒットのメディアばかり。それで、わたしは聞きました。

「なぜ、ヒットするメディアを生み出せるのですか?」

そうするとこんなお話が返ってきました。

「ヒットしたメディアはすべて周囲が絶対にヒットしないと言っていた。先を行き過ぎていて、読者には受け入れられないという話をしていた。そうすると、気持ち的には怒りのような感情が沸き立ってくるんだよ。このひとたちを2、3年後に絶対に見返してやる!そして、いま否定しているひとたちが、頭下げてでも掲載したいと御願いされるメディアをつくるんだ、と。そうした怒りが原動力で、ヒットが生まれたんだ」と。

語る声にも、当初の怒りが加わってか、力が入ります。


まだ見ぬ空白地帯を開拓するーーそんなメディアの立ち上げだからこそ、小さなニーズをしっかりと握ることができ、徐々にスケールすることができたんだと思います。その方は絶対にヒットする確証がありつつも、怒りにも似た感情をぶつけまくったんだとか。それで、聞きました。

「そんなメディアを生み出すために編集者に必要なことは何ですか?」と。

その方はこんなことを言いました。

「志(こころざし)だよ」

志(こころざし)—愚直にまでそこをぶらさずに判断する意志があるのか。そんなことが問われているという話でした。

なんでこんな話をするかというと、最近、周囲が大反対するような起案というものをしていないこと。また、自分自身の取り組みを賛同してくれる方が多くなる一方で、順風になりつつある環境にいることでちょっと危機感を感じていたところがあったからです。

繰り返しますが、これまで成功したとされる経営者の方々の名言を追ってみると、いずれも「みんなが賛成することはたいてい失敗し、反対することはたいてい成功する。」という趣旨の話をしています。ただ、これには続きがあります。

みんなが賛成することは、誰もが同じことを始めるため、過当競争に陥り、順に脱落する。


賛成してくれることは周囲の協力も得られやすく、いいこともあります。一方で、脱落しやすいプロセスにはまりはじめたともいえるのかなと。

ちょっとひねくれた話ですが、常に周囲が「無理でしょ」「ニーズがない」というところを自分の意志をもって突っ込んだ方がいいときもあるわけで、賛同者が増える昨今をちょっと「危ういのかも」とふと思った感想でした。

個人的にもモチベーションがあがるのは否定する人がいるようなシチュエーションの中でちょっと怒りをぶつけるように仕事をするのがちょうどいいので、そんな気持ちのぶつけどころがないところに物足りなさを感じているのかもしれません。

今日は、そんな気持ちを書いてみました。読み物というより、自分の頭の整理でした。ここまで読んでくれた方、何も面白いことが書けずにごめんなさい。