小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

残念なハロウィンパレードが生まれてしまった理由を考えてみる

10月後半、いよいよハロウィンに向けて本格化してきましたね。

ということで、本日、とあるショッピングモールで行われた「ハロウィンキッズパレード」に参加してきました。内容は、ショッピングモール内を仮装して集まった子どもたちで音楽に合わせて回り、特定の店舗にて「TRICK or TREAT(トリックオアトリート)」といって、お菓子を集めていくというものです。

子どもたちも用意された仮装ができるとあり、楽しみにしていたのですが、、、、ちょっとこのハロウィンパレードが残念な内容だったので、なぜ、ハロウィンパレードがこれほどまでに残念になってしまったのか、を考えてみようと思います。

まず、何が残念だったのか、を簡単に書き出してみます。

1.前置きのトークが長い。
子ども向け英語塾の開園もあり、パレードの前置きのイベント(PR)が長かった。

2.店舗のお菓子配りの時間が長い。
店舗に向かい、「TRICK or TREAT(トリックオアトリート)」と叫んで、店舗の店員さんから事前に用意されていたお菓子をもらうという手順だったのですが、参加人数が多かったことや手配がおろそかであったため、最初にもらった子どもからみんなに配り終えるまで、だいぶ時間を要する結果となってしまった。※とうぜん、早くまわりたいと泣き出す子どもや飽き出す子どもあり。

3.歩く距離が長い
大型ショッピングモールの同一フロアをぐるっとまわります。自分も参加者としてそのぐらいの距離は想定していたので、そこは問題なし、、、、と思っていたのですが、ここから別館に移動。さらにはエスカレーターで別の階に。そして、また元の場所に戻るというコース。想定外だっただけに、子どもたちが相当バテていた。。。。

2、3歳の子どもも参加するイベントという内容を鑑みれば、パレードの前座が長く、周回する距離も思った以上に長い。もともとフロア一周で終わりだと勝手に思い込んでいた自分も悪いのですが、スタッフさんたちの「別館もある」という声に「えっ?別館もあり?」と心の叫びがぽろっと口からでてしまうほどでした。ふつうに考えれば、子どもたちもそうだし、親のウケが悪くなるとわかりそうなイベント。なぜ、こんなことが起きてしまったのか、考えてみました。


いちばんの課題は「イベントスタッフが、誰に向かってこのイベントを行っていたか」という点です。端的にいうと、ちょっと想像も含まれていますが、スタッフが向いていた相手は「テナント」だったのではないかと思います。ショッピングモールを運営する会社は、この企画によって店舗ごとにスポンサーを募る。見返りはターゲットユーザーとなる家族の店舗への誘導。

それは、パレードが向かう先に店舗にもよく表れていて、

1.幼児服を取り扱うアパレル店
2.幼児玩具を取り扱うおもちゃ店
3.料理教室も展開するガス店
4.がん保険、生命保険を取り扱うお店
5.新規出店の幼児向け英語塾

というラインアップ。これをみるに幼児をもった親を店舗誘致し、認知してもらうことが最大の目的だった気がします。となれば、スタッフが向く相手はこのイベントを協賛してくれたテナントで「いかにターゲットとなる家族を、たくさんお店に連れて来れたのか」というのが、最大の目標です。であれば、上記に挙げた課題が生まれた背景もつじつまが合ってきます。

1.前座が長い
→もっとも協賛費を出したテナント向けに前座の時間を提供した
2.参加人数が多く、お菓子配りに時間を要した
→とにかく家族数が多い方がいいわけで、数の制約を設けていなかった
3.歩く距離が長い
→子どもたちが楽しめる適正距離よりもテナントまわりを優先していた

最終的な所用時間は、前座10分。パレード80分、、、、(´・ω・`).
大型ショッピングモールを別館まで隅から隅まで渡り歩き、エスカレータで移動もするわけで、小さい子どもからしたら小規模の遠足レベルです。なかには「もうすこしだから、頑張って」と子どもに声をかける親も出る始末、、、、安全面を考えれば、団体でエスカレータに乗せることはリスクを伴うような気もします。

結局、こうした運営をして得をしたひとって誰もいないので、せっかくのハロウィンパレードなのに、もったいないなぁっと感じてしまいました。結局、誰を顧客とみてイベントを企画するのかによって、イベントの内容は大きく異なってしまうし、向き合う相手を間違えてはいけないなぁっと思ったわけで、今日は反面教師として、ハロウィンパレードのことを考えてみました。