小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。8月限定版。

長時間労働が話題なので、労働時間のデータを調べてみる。

高橋まつりさんがなくなってから約1年。電通長時間労働が社会に広く知れ渡り、昨日、代表が引責辞任することになりました。本日の朝のTOPニュースとして扱われていて、「長時間労働の是正」は2017年に大きく動いていくのだと強く感じられるNEWSとなっています。亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。

2017年、働き方が変わろうとしています。これから働き方を一人ひとりが考えていかなければなりません。その筆頭が「長時間労働の是正」です。しかし、メディアで言われる労働時間にキャップを設けて長時間労働の規制を強化しよう、というだけでは解決しないというのは、以前に記事に書いたとおりです(※1)。わたしは長時間労働の規制が万能薬のように語られていることに違和感を持っています。そこで今回は日本の労働についてデータをいくつか紹介したいと思います。朝の30分で調べたことなので、今日はTOPIXまで。後日このデータを交えた見解をアップしようと思います。

(参考記事 ※1)

chibiblog.hatenablog.com


ということで、参考になる資料です。簡単に資料内容のポイントを抜粋します。

厚労省資料:最近の働き方の特徴
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000140704.pdf



TOPIXを抜粋】
→週当たり労働時間の長さは 1980 年代から変わっていない
  L時短政策を進めていたが実は30年以上、労働時間の短縮はされていない
→労働者と消費者の関係。長時間労働だから、24時間消費を臨むニーズが発生?
  L個人、企業の中だけでなく、「市場に失敗」がひずみを生んでいる
→日本は、実労働時間も長いが、「希望労働時間」も他国に比して長い
  L納得するまで仕事をしたいというのが多い。日本の強みともとれて、
   逆に労働時間規制はその意志をゆがめる可能性も考慮しなければならない。
   「非自発的労働時間」と「自発的労働時間」の識別は困難。

→日本は、根回しに必要な人数が多い ※平均4.34人
  L他国だと約2人弱。無駄な関係者がいることが日本の生産性を落としている。
→時間当たりの労働生産性は、アメリカ100とすると日本は60程度。
  Lフランス、ドイツは同様の状況だったが、劇的に改善。日本もできるはず。
→週当たり労働時間が50時間を超えると限界生産性が大幅低下するデータあり
→週当たり労働時間が50時間を超えるとメンタルヘルスが明らかに悪化する
  L社員の健康と生産性は相関あり。健康経営が推奨される理由はここにある。
メンタルヘルス求職者数と企業利益率は相関あり
  L例えば、鬱病による企業生産性の低下は顕著。マネジメント負担など。

こうしてTOPIXを抜粋するだけでもいろんな問題があることがわかります。そして、大きな枠では個人の生産性、企業の生産性を考える上で、市場のニーズも関係があること。にわとりと卵の関係ですが、長時間労働があるからこそ、24時間のサービスニーズが生まれるともいえて、長時間労働がなくなることが24時間サービスの減少につながるのかもしれません。ここでいいたいのは、長時間労働は社会の理解なしには是正できないということです。

また大きな問題として、日本は「希望労働時間も最長」というデータがあります。納得できるまで仕事がしたい、というこだわりの強い日本の気質が表れています。「非自発的労働時間」と「自発的労働時間」の識別は困難ですが、はたらきたいという方の意志を歪める規制では逆に生産性を落としかねず、配慮が必要です。

あとは失笑の対象は、日本の根回し人数ですね。「おれを通せ」というハンコを押すだけが仕事になっている方の存在が見えてきます。

あとは健康ですね。サステイナブルな組織には健康が不可欠です。心理的にも不健康な人と働くよりも、健康な人と働いた方が元気がもらえます。自分も元気に働けます。元気な者同士の刺激は組織に伝播し、生産性を押し上げるともいえます。健康はこれまで以上に意識されるものになるでしょう。

さて、今回は厚労省の資料からTOPIXを抜粋するに留まりました。長時間労働の背景には「労働時間の規制」だけでは解決できない背景がいくつもあります。

一人ひとりがそうした知識を持ち、議論し、よりよい方向性を見いだせたらいいな、と切に思いつつ、わたしもこの問題に取り組んでいきたいと思います。