小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

1週間で気になった記事を改めて洗い出してみる。そして、考える(2017/09/22)

おなじみのこの企画。だいぶ期間が空いてしまいましたが、その間に気になった記事をまとめて振り返ってみました。

1.

business.nikkeibp.co.jp

使用期限切れの鶏肉を使った「チキンマックナゲット」問題が大きくメディアに取り上げられ、飲食業会ではもうやっていけないのではないか、日本撤退か、とまで言われたマクドナルド。それが今ではV字回復して、上場後、最高益を出すのではないかというところまで回復しました。その舞台裏の記事です。

足立さんが取り組んだのが、「価格と価値のバランス」を磨くこと。以前までのマクドナルドは100円マックなど、低価格訴求であったけど、いまはバリューを訴求し、正しい価格でお客さまに買ってもらうことにシフト。身体に悪いとか思うんだけど、食べちゃうというラーメンみたいな背徳感を受け入れ、レギュラーでもおいしいを訴求するなど、問題があった時期からは大きく転換したとのこと。個人的にマクドナルドのマーケの方に直にヒアリングしたことがあるのですが、ここで出るバリューが「美味しくて、楽しい!」ってこと。マックに行くとなんかワクワクするみたいな!ハッピーセットとかもそうだし、マクドナルド総選挙など、以前に比べると明らかに「楽しそう」が全面に出ている。それが、社員の忠誠心という土台があり、マクドナルドが心底好きなひとが発信するからそんな空気が出たのではないか。HOWが注目されがちだけど、V字回復を支えた社員の忠誠心は何から生まれたのか。そして、それを一致団結させるためにどのような施策を打ったのか、そんなお話も聞いてみたいな、と思った記事でした。

(個人的な学び)
→企業の本当の価値を見定めること。価格、健康思考ではなかった。
→企業への忠誠心は何から生まれたのか。
→顧客に寄り添いすぎてもダメ。低価格、健康志向など、時代に寄り添いすぎた失敗。
→マックは、「美味しくて、楽しい」。健康に悪そうも受け入れた背徳感の勝利

2.

web-tan.forum.impressrd.jp
ソーシャルメディア時代、顧客と企業の接点は拡大しています。今でこそ、コミュニティマーケティングとか、アンバサダーマーケティングとか言われますが、その走りのひとつとなったのが、サントリーさん。そのストーリーの話ですが、「工場見学から始めることを決めていた」という話。HOWは置いておくとして、いずれにしても「顧客に楽しいを思ってもらう」というのが前述のマックと同じなんですよね。「○○○×楽しい」—バリューを生む方程式は多々あると思うんですけど、いまの世の中、どの業界においても「楽しい」はひとつの大きな差別化を生む価値なのかもしれません。

「書きたくてたまらないような場を設定しなければ、負けなんです」

この言葉に、いまのソーシャル時代のポイントが凝縮されているように思います。

(個人的な学び)
→場づくり、環境づくりが重要。ソーシャルメディア時代のポイント
→場づくりの基本は顧客の悩み優先。買って、書いては絶対にNG。
→場づくりは結局ひと。企画者のスタンスがモロ出るので、スタンス明確化は必須


3.

signifiant.jp


情に流されず、意思決定すべしー森川さんのメッセージ。とかく日本の経営では「あいつ、頑張っているし、もう1年様子みるか」とか、情に流されることが多々あります。それがいい方向に向かうこともあるけども、ダメにすることの方が多い。そういう意味で、経営者は「信頼されつつ、嫌われる」ぐらいがちょうどいい。

ほか、気になったのは「一部のお客さまに評価されるからおれは正しい」と思うなという点。マーケ観点からするともっと大きな市場を逃すことになるし、停滞のはじまりともいえる。メディア運営していると既存読者の評価があるからOKになりがちだけど、なくしているものはないか、という視点は常にもつべき。そう考えると評価者は編集長だけでなく、もうひとりいるべきか。うむむ。

(個人的な学び)
→決断する人は、情に流されるな。冷静に数字とマーケットで判断
→顧客を見誤るな。自分の都合で、顧客意見を持ち込むな
→マーケットは広い。独断で狭める行為がないか、常に評価せよ


おまけ:

siliyoro.com

最後に。
最近読んだブログでもっとも刺激を受けた話。金ない、知識ない、コネないの著者が憧れでシリコンバレーに渡り、ビジネスを立ち上げたという話。何もないひとでもここまでできる。リソースが潤沢な企業の新規事業担当がなぜ、それができないのか。そのヒントが詰まっているように思います。

う〜ん、今回はマーケティングの話ばかりが目につきました。自分が運営するメディアももっと非連続な成長をするためにどうすればいいのか、悶々としているところがあったからかな。ということで、引っかかった何かからまた深掘りしたいと思います。

うにうに、考えます。では、よい週末を〜!