「休む技術」「整える技術」に無頓着な現代人
プロのスポーツ選手であれば、最高のパフォーマンスを出すためにコンディションを整えるのは当たり前のこと。では、プロのビジネスパーソンは最高のパフォーマンスを出すために、日々、最高のコンディションを整える努力ができているだろうか。
とある、経営者が投げかけた問いです。
最近、生産性向上ということから「短い時間で、パフォーマンスを出す」という技術はより進歩しているように感じます。例えば、自身の強み、弱みの自己認知の向上、より没入して仕事に打ち込むための集中する技術、テクノロジーの活用など。ひと昔前に比較すると、自身の最適な能力開発における体系立てをしやすいのではないでしょうか。
ただ、これだけでは持続的なパフォーマンスを発揮することはできません。
スポーツに例えるといま、紹介したものは能力開発と捉えることができます。あとパフォーマンスを発揮する上で何が大事か。そうです。コンディションを整える、身体を休ませるという観点が欠けています。
最近、あるサッカー選手の記録が話題になりました。サッカー好きの方ならばご存知だと思いますが、横浜・F・マリノスの中澤佑二選手が「140試合、連続フルタイム出場」という偉業を成し遂げたのです。なぜ、この記録がすごいかというと、ひとつは、年齢です。中澤選手は現在39歳。ベテランでいながら、常に出場し続け、若手に負けないハイパフォーマンスを出し続けたんです。もうひとつは、ケガをしなかったこと。サッカーはケガをしやすいスポーツです。特に中澤選手はセンターバックという相手FWとガチガチに身体をぶつけ合うポジションでいながらこの140試合、大きなケガをまったくしなかったのです。
そんな中澤選手にまつわる話が、ストイックすぎる健康管理です。
食事は、決まって朝、昼、晩きちんととる。また栄養管理も徹底していて南アフリカWカップ敗戦直後の夜、バーに行ったとき、他の選手はアルコールを注文したところ、カフェオレを注文したというストイックすぎる逸話が紹介されています。
徹底しているのは、食事の管理だけではありません。もうひとつの秘訣は睡眠時間の確保。FOOT×BRAINというサッカーを深掘りする番組に中澤選手がゲストで出演したとき、就寝は決まって22時。起床は、6時。しっかり8時間睡眠を確保することが大事だと語っています。ちなみに8時間というのは、睡眠上大事な数字で、Amazonのジェフ・ベゾスなど名だたる経営者も「8時間の睡眠」を公言しています。
そして、中澤選手は、FOOT×BRAINの番組でこう話をしています。
僕はテクニックとかスピードとかサッカー選手として大事な部分が他の選手よりも劣っているところがあるので、じゃぁ、どの部分で戦った方がいいんだろう、どう補えばいいんだろう、と考えたときに、サッカーのグラウンド「以外」のところでどれだけ他の選手と差をつけられるか、を考えました。
パフォーマンスを考え続けた結果が、食事と睡眠だった、というお話でした。
なんでこんなテーマをあげてみたかというと、最近、生産性向上の話題が過度に行き過ぎていて、個への負担ばかりが増え続けているように感じたからです。前は○○時間でできていたことが、いまは半分の時間でできるようになりました、と美談のように語られるケースです。コレ自体は素敵なことですけど、持続可能性という観点でみるとどうだろうか、というケースもないとは言い切れません。
身体を酷使しすぎではないか。
心のケア、充足はできているだろうか。
もしかすると、「休む技術」「整える技術」を磨くことが、他者と比してよりよいパフォーマンスを出し続ける近道であり、本当に意味での生産性向上につながるのかもしれません。
最後に。
何気に健康管理については以前、こんな記事も書きました。
で、結果は?というと、実践できていません。。。。
はい、わたしも精進します。