なぜ、カフェだと仕事がはかどるのか、を実験してみた。
先日、この記事が話題になっていました。
端的にいうと、仕事場でいちばん生産性に影響を及ぼす因子は、気温とCO2濃度。その気温とCO2濃度がもっとも低く、生産性を高める環境というのが、自宅でも、オフィスでもなく、カフェなんだとか。というならば、やってみようぜということで、先日知人のオフィスにて、CO2濃度を測定する機器を導入し、カフェの環境を擬似的につくりだし、2時間のMTGを実施してみました。環境はこんな感じ。
■オフィス:9F 8.9坪
■参加人数:5名(すべて男性)
■室温24度、CO2濃度900ppm
まず生産性にいちばん関係がある室温、CO2濃度を測定すると、室温は24度。CO2濃度は900ppmを超えていました。オフィスのCO2濃度の基準値は、350ppm〜1,000ppmといわれているため、すでに換気が必要とされているレベル。まずは窓を開けて換気を実施しました。参考までに下記に建築基準法の数値を紹介します。
<CO2濃度の目安>
350~450ppm 過剰な換気(外気:330~400ppm)
450~700ppm 理想的な換気レベル
700~1000ppm 換気が不十分(室内では1000ppm以下に抑えることとされている)
1000~1500ppm 悪い室内空気環境
1500~5000ppm これ以上の環境で労働をしてはいけない
5000ppm以上 疲労集中力の欠如
※建築物衛生法、建築基準法、労働安全衛生法
さて、窓を開けるとどうでしょう。みるみるうちに数値が300台まで減少。一同から「お〜!」との驚きの声が。5分も立たないうちに仕事に最適な環境に生まれ変わりました。こんなにCO2濃度は簡単にコントロールできるものなのだ、という学びを得ました。と盛り上がったところで、いざ出陣。2時間のMTGを開始しました。
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2時間のMTGの結果:
MTGなので、あくまで主観でしかないのですが、「快適」のひとこと。たしかに頭がクリアだし、回転が早く感じました。始まる前の900ppmのときは眠気もあり、明らかに高い生産性を生み出せる環境ではなかったかもしれません。
正直、これには驚きました。
気温とCO2を最適化するだけでこれだけ頭がクリアになるんです。これはだまされたと思って、やってみてほしいところ。
ということで、なぜ、こんなねたをあげたかというと、最近「働き方改革」のもと生産性向上の記事を多々拝見しているのですが、「う〜ん、、、」といういまいちな内容が散見されています。先週は日経ビジネスでも「便乗時短」として働き方改革の特集を組まれていましたが、正直、読んだ感想は、良い事例として上げられているものであっても、メールで数秒のロスを減らしましょうなど、「これをいま取り上げるのか、、、、」という内容が多く、残念な気持ちになりました。
小さな改善を否定しているわけではないのですが、もっと大胆に働き方を変えることにより生産性があがる方法も知るべきだと思っています。今回取り上げた「気温とCO2濃度」の件もそうです。これだって自分で選択できる働き方です。また、脳神経科学の知識を得れば、より学習の認知効率をあげることもすでに可能になっています。これも知識であり、科学的根拠にのっとって個人で実践しようとすればできます。知っていれば、選択が可能です。
(参考)
メールの行数を減らす、電話禁止などの小さな改善ではなく、大胆な改善活動にも目を向け、自分の働き方に取り入れてみると思いもよらない効果があるかもしれません。まずは自分がやらなそうな働き方にあえてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。