小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

会議の改善こそが生産性を向上させる近道という話し

日本の会議は、非効率だ。

よく指摘される話しです。しかし、有効で成果をあげる会議を知らないとこの問題意識を持つことがないので、遅々として改善が進まないという話しをよく聞きます。そこで今回は生産性を向上させた企業の会議の進め方のTOPICSを挙げつつ、自社の会議をどう改善するのか、という点について考えてみたいと思います。

取り上げるのは、業績好調な「日本電産」。

2018年4月に発売された日経ビジネスによるとわずか4カ月の改革で以下の時間削減を達成したとあります。

社内会議の種類を削減 156→89
社内会議の年間開催数 716→440回
月間開催時間  533時間 →240時間

結果どうなったのか。総コスト1時間あたりの人件費を5000円とすると約3200万円の削減に成功したこととあります。ただ会議を削減しただけで、これだけのインパクトになるわけです。もちろん成果をあげる質の高い会議になったことでアウトプットも向上し、収入と支出双方を改善することで高い利益を得る構造ができているわけです。

では、具体的にどんなことを実施しているのか。この日本電産では、会議を効率化させるために以下の7つの約束事があるといいます。

1.会議時間は45分が基本。短時間会議は25分に。
2.会議参加者には事前に「会議の目的」「時間配分」「必要な成果」を示す
3.会議出席者は必須の者のみに厳選
4.会議の主催者は冒頭に「2.」を再確認
5.資料は1議題1枚。事前に配布
6.会議修了時には結論、宿題を確認。決定事項の担当も明確に
7.議事録は会議中に作成。遅くとも翌日までに作成する

こうした会議に慣れている方であれば、「当たり前」レベルの内容です。しかも特別なスキルが必要なこともありません。つまり生産性向上って難しいようですけど、原点に立ち返ってみると簡単なことだったりするわけです。

そして最近、話題になった記事のひとつがこの記事です。「日本企業は礼儀正しく時間を奪う」。個人的に秀逸なタイトルだと思いました。ここでは裁量権のある方が何でもかんでも面と向かって報告=会議となり、まったく考える、相談し、アウトプットする時間がなくなるという状況をお話されています。

logmi.jp


結局、何が言いたいかというと、無駄な会議が多いほど、未来を語る場がなくなるわけです。無駄な会議は、負債です。無駄な会議という負債に時間を取られれば、未来を語る機会が減り、ビジネスの機会を逸し、ビジネスの競争に勝つことは不可能でしょう。無駄な会議を削減することは、未来を語る時間をつくる。

負債を減らして、早く未来を語る環境が世の中に溢れたら素敵ですよね。

ちなみにこの感覚を得たければ、未来を語る場に溢れたベンチャーに行くといいです、ボランティアでもいいので。特に大企業をスピンアウトして起業されている方は社会課題への意識が高く、語ることが未来思考です。こういう場を数多く経験することで、負債を負債と見抜き、未来を語ることが当たり前の習慣を自分になじませることができます。この体験が染み付くと、負債だらけの会議が多い組織には違和感を通り越して人の時間を奪うという、怒りのような感情を覚えるはずです。

と偉そうなことをいいつつ、自分ももっと自分の働き方をブラッシュアップしていきます。