小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

1週間で気になった記事を改めて洗い出してみる。そして、考える(2018/05/26)

今週1週間で特に気になった記事をまとめました。

1.

business.nikkeibp.co.jp



英ダイソン創業者でチーフエンジニアのジェームズ・ダイソンさんのお話。冒頭いちばんにこんな話しをされています。

「オープンイノベーションがうまくいくなんて、私は聞いたことがない」

社外のリソースを活用してイノベーションを起こそうという発想に疑問を投げかけています。事例として取り上げられているのは「モーター」。ダイソンのサイクロン技術は革新をもたらしました。ダイソンさんいわく

「試作機を毎日2つほど自分だけで作っていました。その数は5年間で5000個、正確には5127個にもなりました。それほど試作機を作って、やっと正しく動くようになった。そうしたことは、今でもやっています。もちろん、コンピューターを使った設計・デザインも役に立ちますが、今も膨大な数の試作機を作っています。技術の開発には、時間がかかるものなんですよ」

本当にイノベーションを生むのは、セクシーではないところにある。そして、そのセクシーでないものに革新をもたらすには時間がかかる。しかし、それは「素晴らしい旅」だといいます。それを楽しもうと。何事も継続し、コツコツ続けることがきっとイノベーションにつながる源なんだと思います。

そして、ダイソンさんはこんな言葉も残しています。個人的に印象に残ったセクシーな言葉でした。

ーー疑問に思う素朴さは、専門家よりずっといい。専門家は危険ですよ。

(個人的な学び)
→大きな結果を求めるのならば、すぐに結果を求めてはいけない
→継続こそ命。日々の試行錯誤し、失敗を重ねる日常を楽しめるマインドを
→素朴さを忘れるな。専門家思考は過去の成功を引きずる危険なマインド
→(改めて)オープンイノベーションという言葉があまり好きではない

2.

jp.wsj.com

 従来型のピラミッド構造の組織から、より密でコミュニケーション主体のフラットな組織へ。テスラの事例が掲載されています。個人的にいま、取材などを通してもっともなくなるポジションは?との問いに出てくるのがこの「中間管理職」というものです。あえて、ここでは「既存の」をつけます。元々この中間管理職は成功パターンを持った人材を組織の上にあげ、そのパターンを下に伝承するという親子関係を前提とした組織です。この関係が強固で時代にあったうちによいのですが、変化が激しく、これまでの成功パターンが通じなくなるときに、この組織構造とその構造を支える「既存の中間管理職」はその存在意義が薄れていきます。言葉を変えると「賞味期限が短い」ということだと思います。若手人材がこの中間管理職というものを好まなくなってきた背景には、直感的にこのポジションに未来がないことに気づいているからなのかもしれません。

(個人的な学び)
→未来型の創造を必要とする組織は、フラット化の組織に。
→フラット化したときにいちばんの賞味期限切れのポジションは中間管理職
→中間管理職がなくなる方向で、どのように変化するのかが気になる
 仮説では、モチベーター、プロデューサーなど、異なる役割に変容するように思う。

3.

gendai.ismedia.jp

子どもを持つ親ならば、必ず気にする「子どもは褒めて伸ばすのか、叱って伸ばすのか?」という議論。ここでは、褒めることにフォーカスされています。論点を言うと、褒め方が大事で、結果を褒めるのか、努力を褒めるのか、何もしないのか。

結論、挑戦する子どもは努力を褒める子どもの方が比率が高いという結果が出ています。結果を褒めるとどうなるのか。「こんな問題ができて、頭がいいね」と言われ続けると「頭のいいように見せたい」という考えが増し、難易度の高い問題から自分を遠ざける力学が生まれます。そして、「頭がいい」と見せるために最悪ウソをつくなど、挑戦をしないマインドが形成されていくといいます。努力は、難しいことで失敗しても、創意工夫を褒められるので、挑戦をやめません。それが差になるというわけです。

日々のコミュニケーションが子どもの挑戦する心を育む。肝に銘じて、日々の子どもとのコミュニケーションを考えていきたいと思います。

(個人的な学び)
・褒め方で、マインド形成が変わる。創意工夫を褒めることに注力すべし
・創意工夫やプロセスを褒めるためには、観察が重要。
 隠れた工夫を見逃さない「眼」を養うべき。
・子どものコミュニケーションを阻害する「スマホ」を気をつけます


4.

連携する適材適所がイノベーションを生む。個の力に回帰するオープンイノベーションと企業の未来とは?[ミラツクフォーラム2016] | ミラツク

2.の中間管理職がなくなるという文脈にもつながります。この記事には、ユニークな会社と制度が紹介されていて、それこそ、多くの企業が採用すればいいのではないか、ということで、学びというよりもシェアしたいという意味でこちらに掲載します。

その企業は、「オムロン」。

実はオムロンには、管理職になって6年後、3カ月の休暇を取得できる制度があります。表向きは慰労のように見えますが、実は結構厳しい現実を突きつけら得るものになります。

それは組織観点では、管理職がいなくなっても組織がまわるという現実。そして、いなくても組織がまわるとまれば、その休暇を取得していた管理職の立場がなくなります。それを踏まえて、この会社で何をやるのか、本当に自分がやりたいことは何なのか。とにかく自問自答するんだそうです。この時間が「管理職を上がりとせず、次の目標に目を向かわせる貴重な時間」になるようです。

現実問題、中間管理職がまったく新しいものを生み出そうとしない企業や組織を多々みます。むしろ、権限とお金を動かせるひとほど、何かを生み出すことをすべきです。

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ということで、1週間で特に気になった記事の紹介でした。

ではでは。