小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

「なぜ」「どうして」の使い方は難しい。コミュニケーションの話。

「なぜ、○○○○するの?」
「どうして、やらないの?」

子どもに対してよく使ってしまう言葉です。とくに悪いことや約束ごとができていないとこの言葉を使ってしまうことが多いのではないでしょうか。しかし、この「なぜ」「どうして?」という言葉を使って子どもに投げかけをしても実は心に届いていないことがあります。最近、コミュニケーションで意識していることだったので、今日はそのことについて、書いてみようと思います。

「なぜ、○○○するの?」
「どうして、やらないの?」

いずれも子どもにその理由を考えさせたい、という気持ちから使っていますが、それが逆効果を生みます。なぜ、逆効果だというと、その言葉自体が子どもにとって、単なる「詰め」になっているからです。

「なぜ、○○○するの」→すでに悪いことと断定した言い草になりがち。
「どうして、やらないの?」→この言葉も端に責めの問いになりがち。

以前、上司と部下の関係で詰めばかりしていう上司の言葉は、部下には届きにくいという話をしました。理屈は正しいけど、人はそれをうまく受け入れられないという話です。では、伝え方が上手な上司は観察していると何をしているのか。

それは、「伝えるための整え方」が上手いという話です。部下に聞き耳を立てさせるための事前準備がしっかりできています。例えば、まずは「褒め>詰め」「1対1で人前で叱ることはしない。自尊心に配慮」です。

 

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では、今回の子どもの件ではどうなのか。とくに「褒め>詰め」というのが大事で、
「伝えるための整え方」では、まずは「承認すること」です。

例に出してみます。よく自分の息子は「プラレールで遊んだあとに、なかなか片付けができない」という悩みがありました。ここで、親が言ってしまうのは、

「なんで、プラレールのお片づけができないの?」
「どうして、プラレールのお片づけをしないの?」

すでに「お片づけしない悪い子」というニュアンスを感じ取れるコミュニケーションになってしまっています。

では、どうすればいいのか。例えば、「承認」を入れるとこうなります。

「いつもできているのに、今日はできていないね。どうして〜」

「いつもはできている」「今日は〜」と限定的にさせることで、普段は承認している。しかし、「今は」できていないとなります。全面否定しているわけではないので、聞く耳を持ってくれる場を整えることができます。

ちょっとしたコミュニケーションの違いが、相手のモチベーションの差異を決める、というのを子どもを通して、勉強しています。


息子が今度4歳になります。言葉の意味もよく理解し、自分の意志でやること、やらないことを決めることができます。しかし、その選択は必ずしも自身の成長や社会に出る上で正しい判断とは限りません。

親として、コミュニケーションでどう相手に気づきを与えるのか。どう学びにつなげてもらうのか。もっと考えていかなければならないな、と思います。