小さな編集長の雑感(限定版)

小さなメディアの編集長が、仕事や働き方の気づきを書き留めるブログ。限定版。

仕事の欲は、仕事によって芽生えるといったある俳優の話

以前、ある男性俳優を取材させていただく機会がありました。その方は20代でモデル出身の俳優さんです。いまでは、連ドラ、映画に活躍しており、Q(クオーター)でみないことはないというぐらいの人気俳優です。

ふとTVを見ていてその俳優さんが興味深いことを言っていたのを思い出したので、記載します。俳優さんの名前はここでは伏せます。仮名を「Aさん」とします。

話のテーマは「欲」です。

欲と聞くと、悪いイメージを持ちやすいのではないでしょうか。欲望、欲求など、それを満たすために何らかの行動・手段を取りたいと思わせ、それが満たされたときには快を感じる感覚。動物的ですね。

仕事場では、欲を出せ、というより「欲を抑える」ことが多いのではないでしょうか。一般的にも仕事場で欲を出せ、とは表向きに聞かない話だと思います。

しかし、このAさんは元々は欲がなかったのが、欲がでてきたからこそ、自分は変われたといいます。欲は悪いものではない。欲こそが、ひとを変えるものだ、と。

ストーリーはこうです。

従来、モデル出身の俳優の為、芝居をはじめたばかりのときは熱を入れることができなかったんだそうです。しかし、まずは覚悟を決めて、どんな種の仕事でも対応していったそうです。言葉を借りると「我を見失う量」だったとか。転機はすぐに訪れます。連続放映の主役に抜擢されたんです。それで、仕事への向き合い方が変わったんだとか。

「演技を器用にできないだけに絞り込みたい」
「俳優に向いていてほしいけど、いちども「向いている」と思ったことがない」
「いろんなことに目が向くと、続けられない。だから、絞る」
「ずっと続けていけるのが、俳優という仕事。だから、逃げない」

そんな想いによって、つくられたひとつの作品。Aさんはそこから俳優としての欲が生まれたといいます。

「○○○さん(有名監督の名前)の作品に出たくなったんですよ」
「○○○さん(某有名な俳優の名前)といっしょに競演したくなった」

次から次へと生まれる欲。
従来、俳優への熱がなかったAさんが、ひとつの作品によって、欲が芽生えたそうです。

作品が残る →欲が生まれる →モチベーションがあがる

この連鎖によって、俳優としての階段を上っていったそうです。この後は、ドラマ、映画だけでなく、舞台にも挑戦。TVは映像が細切れでカットされるので、カットごとの集中と瞬発力がものをいうそうですが、舞台はカットで切れることがない。連続性のなかで、いかにお客さまに自身の演技を受け入れてもらうのか。それが精神の鍛錬につながったんだとか。

欲が出ると、もっと次の場を得たくなる。そして、Aさんはいいました。

「欲があるのならば、出し惜しみせずにさっさと出すこと」
「それが、臆するコトのないアクションにつながります」

う〜ん、20代の若手俳優の言葉に唸る自分。この取材から2年。Aさんは当時から飛躍的にキャリアステップを踏んで、連ドラ主役まで張っています。有言実行している彼をTVで見るたびに、当時の取材が思い出されます。

最後に彼は言いました。

「欲を持つということは、逆に捨てること」
「捨てる覚悟をもたないと欲は生まれません」

 

カッコつけたコンテンツはウケない。その理由について。

先日、某有名なビジネスブロガーと話をしました。テーマは、「読まれるコンテンツとはどういうものか」というもの。今日は、このテーマを扱っています。

■カッコいいコンテンツは、意外に読まれない
某有名ビジネスブロガーをAさんとしましょう。そのAさんは、「カッコいいコンテンツほど、読まれる文章にならないんです」と、おもむろに話をはじめました。

カッコいいコンテンツとは、どんなコンテンツものかというと、

・起承転結の枠組みがしっかりしていて、
・読み手に伝えたいことがはっきりしているもの

何気にしっかりとしていて、文章もわかりやすいので、読者にはウケそう。しかし、Aさんはこう続けます。

「予定調和のコンテンツで面白みに欠けるんですね」

この言葉にピンっときました。たしかに取材前に起承転結をしっかりと定め、構成案に沿ったインタビューをします。情報として読者に届けたい情報を漏れなく取得できるのですが、ここで大きな落とし穴があります。

事前に固めておいた起承転結に沿って取材するため、構成がみな同じになりやすいことです。水戸黄門のように印籠が出るまで「待ってましたー」と言えればいいのですが、そうもいきません。

そして、いちばん大事なことがあるといいます。

「理屈ではないんですが、感情が乗っていないコンテンツはつまらない」

例えば、強みやPRしたいことばかりではなく、弱みや本音がつまった話。Aさんが取材する場合には、特にフレームは固めずに、とにかく言いたいことをしゃべってもらい、その情報をうまく編集して、コンテンツ化しているとのことでした。

個人的にもこの感覚はもっていて、猛烈に読者に伝えたいことを多少、文章が汚いものであっても、思いのママに夢中に書いたものの方が面白いコンテンツになりやすいんですよね。逆に、型にはまってしまったコンテンツは、どうも感情を揺さぶるものがない。ここがなんとも不思議です。

とある場面で、糸井重里さんのコラムか何かでこんなことがありました。

「いいコンテンツは、自然に転がる。自分が見えなくなったところでもまだ転がって音がしてる」
「継続しているときに、たまに転がるものができればいい。いつも全力ではなくて、たまに転がるものによって、「ときに面白いコンテンツがある」という認知があるだけで、読者は十分、面白いメディアとして認知してくれる」

ひとことでいえば、筋がいい、という話ですが、いまの世の中、フレームに沿ったコンテンツが溢れ変えるばかりで、さらにその手法をみなが真似てくる時代です。だからこそ、逆にその枠組みを取っ払い、感情の赴くままに書いた方が刺さるコンテンツができるのかな、とふと思い出し、今日の記事としてめもしておきます。

 

仕事をつまらないものにするひと、面白いものにするひとの違いについて

同じ業務をしていても、仕事を楽しそうにするひとと、つまらなそうに仕事をしているひとがいます。当然、仕事を楽しそうにするひとの方がいい成果を挙げることが多いし、ストレスも感じない。まわりも明るくなる。

だけど、つまらなそうに仕事をするひとは生産性が低く、仕事が苦痛でしかなくなる。どうして、同じ仕事なのにも関わらず、ひとによって差がでてしまうのか。

そのひとによる素養というものもあるのかもしれないけど、それよりももっと大事なことがあることを以前、ある組織から教わりました。もう10年以上も前の体験だったけど、この体験が大いなる財産になっているので、今日はその話をまとめてみます。

ここで紹介する仕事とは、「校正」です。
石原さとみさん主演の水10ドラマ「地味にスゴイ!」がちょうど放映されているので、見ている方はなんとなくですが、その仕事イメージがつくと思います。
※実際の校正・校閲とだいぶ違うと批判もあるようですが、業界・規模によっても違うので、ここでは割愛

あがってくる原稿に対して、「トル」「ツメ」といった感じに赤字を入れる。編集・制作の現場からすると楽しい仕事か、つまらない仕事かでいえば、後者に入る仕事です。最低でも楽しくする仕事ではないと思います。

当時、自分が所属していた企業では、専門の校正Gを置かずに各々が校正を責任をもって行うことが基本とされていました。そして、大所帯だったので一次品質・二次品質を保つために、「不備率」の目標を定め、組織品質を高めようと尽力していました。

当時、この不備率、具体的な数字を出すことはできないのですが、「ほんとにできるのか?」と思えるほど、高い目標設定でした。しかし、これがあるアクションを起こしたあと、なんと達成してしまったのです。

当時、全国の制作グループが注目し、視察にきたほどです。
しかし、やっていることはどうということではなかったんです。

では、何をしたのか。

それは、「校正をゲーム化してしまった」んです。

仕組みはこうです。

できあがった原稿のチェックをWチェックするために同僚の制作に御願いするのが基本なんですが、本来はただただ業務が増えるだけなので、ポジティブに受けてはもらえません。

工夫したのは、ここです。

「不備を見つけたひと」にポイントを与える仕組みを導入したんです。不備を見つければ、ポイントが増えるということで、積極的にひとの原稿をみて、ポイントをゲットしようとするひとが表れていきました。ポイントは、自分のポイントシートにシールを貼って、貯める方式。ポイントをより多く獲得すれば、月末の表彰の景品のランクがあがります。そんな仕掛けで、日に日にモチベーションが高くなっていきました。

なんか、表彰の景品がよかったんじゃないの?という声が聞かれそうですが、
ここでいう表彰の景品は、なんと「ケーキ」でした(笑

上長のおごりで、ポイント数ごとにケーキのランクが分けられ、ポイントをたくさんとれば、ケーキのレベルがあがるという仕組みでした。当初、編集・制作の部門では女性が多く在籍していたため、この効果は抜群でした。こぞって、不備を見つけにいくわけです。

話を聞いてしまうとなんてことない話なんですが、これに全国の視察する方々は驚いていました。こんな施策で、組織の生産性がまったく変わってしまうんだと。

ここから、学んだことがあります。

1.生産性をあげる上で、もっとも大事なのはモチベーション
校正の精度をあげ、生産性を高める上でもっとも大事なものはモチベーションだと気づかされました。ここでは詳しく書きませんが、とある事件をきっかけにこのモチベーションが減退し、まったく逆の現象が起きたこともあります。

2.ゲーム化をするには、本気度が大事
いわゆるゲーミフィケーションの取り組みといえるのですが、ここで大事なことは「ゲームを本気のものにする」仕掛けが大事ということです。雰囲気をつくるために、このキャンペーンのポスターを市販並のクオリティで制作したり、ポイントを貯めるシールなどを作り込んだり、ゲームを本気のものに変える環境づくりがゲーム化に際してもっとも大事なことのひとつだと学びました。

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仕事を面白くするひとは、うまくゲーム化するのがうまいなとつくづく思います。〆切効果も一種のゲーム化で自分自身で勝手にゴールを決めて、できる、できないを楽しんでいます。

前職の話ですがこの会社、とにかくこうしたつまらないことを面白いものに変えてしまい、生産性をあげることが抜群にうまい会社でした。個に頼らず、組織全体でつまらない仕事を面白いものに変えてしまうんです。

つまらない仕事は誰にだってあります。

だけど、ゲーム化する手法をしっている人は何事も面白くし、生産性をあげられます。では、どうやったらこの「ゲーム化」がうまくなれるのか。

ゲーム化がうまいひと、、、、、って考えると、思い当たるのは子どもです。

子どもってほんとうに天才だと思うんです。また、そんな手法を編み出した!って。子どもとふれあっていると、何事も工夫でなんとかしてしまうわけで、週末はその天才を観察して、何事も楽しくしてしまうコツを学びとってやろうと思います。

お後がよろしいようで(笑

では、よい週末を。

野球の打順で大事なのは、何番バッターか:元野球トレーナーの話

日本シリーズが盛り上がっていますね。あまり野球が詳しくない自分にも、日本ハムと広島の対戦の盛り上がりが日々のニュースで伝わってきます。

さて、そんな野球の話で先日、人材開発セミナーでこんな話がありました。

「野球では、何番バッターが大事なのか」

答えたのは、高校野球の監督経験をもつ方。大事な打順は、何番バッターなのでしょうか。

■大事なのは、クリーン・アップ!? 先頭打者? つなぎの2番?
まず高校野球の地区大会は、一度敗退すると敗者復活のないトーナメント形式です。その厳しい条件の中で勝ち続けるためには打って、確実に点を取っていかなければなりません。では、点をとるために鍵を握るのは、何番バッターなのか。

 試合を決定づける、4番バッターか。
 切り込み隊長となる、1番バッターか。
 それとも、クリーン・アップにつなぐ2番バッターなのか。

登壇者に視線が集まります。
ひと呼吸おき、登壇者は意外な打順があげました。

「地区大会で勝ち上がるために重要な打順は、7番と8番です」

セミナー会場で聞き入るひとたちがざわめきます。

「うん?? 7番と8番???」

その場にいた方のほとんどがその回答に腹落ちしていない様子でした。
それから登壇者の方が説明しはじめました。


「基本的に強豪校ともなると、3番、4番、5番は打って当たり前というポジションになります。しかし、対戦校も3番、4番、5番に打たれまいと対策を施してきます。そのため、必ずしも打てるというわけではありません」

うん、たしかにそうだ。
もっとも打つバッターを抑えるために、どこも対策を施すだろう。

「重要なのは、そのあとです。7番、8番というのはトーナメント式の場合、対策されることが少ないポジションです。そのため、この7番、8番が塁に出ることがチームを勢いづける起爆剤になります。そして、7番、8番が打つと自然にクリーン・アップに塁がたまった状態でまわってくる。勝負しなければならないシチュエーションもそうですけど、いちばんはクリーン・アップの気持ちに火がつきます」

なるほど!!
そう聞くと、たしかに7番・8番がしっかりと打つことが重要に聞こえてくる。
野球に詳しくない自分にとっても、わかりやすい内容でした!

そこに、登壇者は続けてこう言いました。

「あなたの組織でも、7番、8番が大事では??」

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組織にあてはめてみると、7番、8番は汗をかくポジション。なかなか日のめをみない役割です。しかし、彼らが元気で同様にクリーン・アップ(エース)に違わぬ活躍をみせたとき、たしかにエースたちへの大きな刺激になっていることが多々組織でも見受けられます。

組織が拡大していくととかくエースで稼ぎ頭にフォーカスしがちです。しかし、組織全体のパフォーマンスをあげるとき、日の目を見ないが汗をかき、成果を出す7番、8番の存在を忘れてはいけないな、とあらためて、自組織について振り返るキッカケになりました。

深掘りしてみると、野球って奥が深いな、、、と。


P.S 組織の話ですが、ひょんなことから野球にも興味が沸きました。日本シリーズはあえて7番、8番の活躍にフォーカスして、見てみたいと思います。注目するのは、大谷選手だけではないはず!

新規事業プランをはじめて練るひとに起こりがちなこと

大企業の中でも、新規事業プランコンテストが頻繁に行われるようになってきました。一つの事業、ひとつのサービスのライフタイムが短くなる中、常に新しいものを生み出し続けなければならないことが、施策を加速させているように思います。

こうした背景の中、当然、まわりにも自社の新規事業プランコンテストに参加するひとが増えてきます。しかし、希望を胸にコンテストに参加するものの、それが必ずしもうまくいっていないところがあります。盲点があります。今日はそこについて、記載しようと思います。

盲点1:白い目でみられること
新規事業が次々と生まれ、それが当然になっている企業文化であるところを除けば、新規事業プランはあくまで、業務時間外の活動になります。業務時間外の活動により、よく言われるのが、急に周りの目が「お手並み拝見」という批評家スタンスに変わること。前向きに取り組もうという自身の意志と反し、周りの温度は高くありません。

盲点2:サポーターやアドバイザリーがいないこと
自社で成功事例が少ない会社ほど、事業やサービスを立ち上げるということのノウハウがありません。当然、自身の上司に相談しようにも経験がないため、有効な手段にはなりえません。そっとしておいてくれればまだいいところで、逆にアドバイスをしようとし、引っ掻き回すこともあります。基本的に、上司のアドバイスは役に立ちません。

盲点3:顧客が見えなくなること
新規事業の起案の場合、見えているのは未来の顧客です。そのため、そのイメージと熱量は自分ほどまわりは持ち得ることができません。そこにいろんなアドバイスを集約すると、いつの間にか、当初もっていた顧客像がゆらぎ、熱量も徐々に減っていきます。

最終的に気づくことは、「自社にそのサポートは期待できない」ということです。個人的には、おそらく大企業ではなかった、「孤独感」に苛まれます。

■新規事業/新規サービスを立ち上げるためのメンタルケアについて

孤独に強いという方もいれば、とうぜん、弱いという方もいます。上記の盲点を突破し、力強くプランを推し進めていくためには、下記のことが必要です。

1.早めに自分の立場を明確化する

サイモン・シネックのゴールデンサークルがもっとも有名ですが、まず「WHY(なぜ)」を明確にし、自分の立場をつくることが大事です。立場が分かれば、その立場に共感する方が集まり、逆にその立場と異なる方は自然に離れます。余計なことがなくなるメリットがあります。

www.ted.com



2.後ろ盾を確保する
プランを進める上で、自社の経営とVISIONに沿うことは絶対に必要です。そのため、早い段階で、自社の経営層との摺合せをし、後ろ盾をつくることが有効です。過去の経験からも実際に経営された方々からの意見と切り口から学んだことが多く、早くこうした後ろ盾をつくることで、プランを力強く推進することができます。

3.外のネットワーク(コミュニティ)をつくる
1.2.のパターンができれば、あとは外に共感者を得ることです。自社よりもマーケットで本気でそのプランを応援する人たちとつながり、そこからプランをブラッシュアップしていきます。上司には、アドバイスをもらうのではなく、ネットワークを提供してもらう方が大事です。

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とにかく新規事業や新規サービスの立案というのは「孤独のメンタリティ」が必要です。中でも絶対に譲らないWHYと情熱を持ち続ける工夫はMUSTだと思っています。

今日は、後輩たちの相談が多々あったので、ちょっと昔を振り返り、自分の新規事業プランに挑んだころをなつかしみながら書いてみました。いずれにしても、先駆者は大変ですね。。。。はい、メンタル、大事です。

選択肢は多い方がいいのか、少ない方がいいのか、子どもの教育の話

3歳の子どもをもつ親として、子どもの才能を伸ばすためにどんな教育環境を整えるべきか、というのは大きなテーマだったりします。まわりを見渡すといろんな習い事をさせる親がいます。サッカー、水泳、ダンス、英語、ピアノ、、、 etc


個人的には、子どもが「やってみたい」と思うことはなんでも挑戦させてあげようというスタンスなのですが、一方で選択肢を増やさず、適度に制約を設ける方が才能をぐいっと伸ばすことができるのではないか、という考えもあります。

今日は、選択肢は多い方がいいのか、少ない方がいいのか、という点について、書いてみます。

この文頭でお話したとおり、自分は子どもの好奇心を育むべく、なるべく選択肢を増やしてあげようというのが、基本スタンスです。一方で小学生の娘さんをもつ知人からこんな話がありました。

「自分もやりたいことをやらせようというスタンスだったんですよ。でも、ほんとうにそれでひとつのことが身になるかということが心配になってきました」
「それはどういうことですか?」
「chibiさんの考えと同じように、わたしもやりたいという声に対して、まずは娘にやらせてきました。バレエやテニス、英語など」
「いいですね。いろんなことができて」
「そうですね。約束は一度はじめると決めたら、しっかりと続けること。さぼったりしたら、辞めること」
「結果、どうなったんですか」
「結果は、みんな続いています。親としては、いろんなものを試すうちにひとつのことに打ち込むのかなと思っていたんです。それが、どれもしっかりと続けていて。でも、ひとつのことにめいいっぱい打ち込んでいるわけではないのでそれがいいのか、悪いのかと悩んでいるんです。約束通り、みんな好きでさぼらず、しっかり続けているのでやめさせる理由もないですし、、、」

この話を受けて、選択肢が「ありすぎる」というのも、子どもの才能を伸ばす上では弊害になることもあるのかもしれない。そんなことをふと思いました。


そんなとき、ふとある知人から教えてもらったのは、コロンビア大学シーナ・アイエンガーの「選択の科学」の話です。

書籍のなかの事例としてアイスクリームの選択の話がでてきます。有名な実験かもしれませんが、たくさんの中から1つのアイスクリームを選ばせた時と、少ない選択肢からアイスクリームを選ばせた時では、自身の選択により満足するのは後者だったそうです。そう考えてみると、適度に選択肢をもって自身がのめりこむ環境づくりの注力の方が、子供の選択の満足度を高め、のめりこむキッカケになるのかもしれません。

話を戻して、子どもの教育に正解はありません。でも親としてはぜんぶが平均点よりもその子どもがもつ才能を思いっきり伸ばしてあげたい気持ちがあります。上記を例にとってみれば選択肢に制約を設けて、選択したことへの打ち込むエネルギーをそぐわないことに注力した方がよりよい結果になるのかな、という考え方もあります。

正解のないものなだけに、子どもの教育というのは常に思考錯誤ですね。

いろんな親の教育方針と結果を聞きながらケース学習を繰り返し、「自分の子どもにあった教育環境とは何か」を試行錯誤し続けることがいちばんの環境をつくる近道なのかもしれません。

「健康管理は、10年後の自分への投資」という言葉にしびれたお話

先日とある栄養士の方と話をしたときの話です。この話になった背景は「生涯現役」としてはたらき続けることが前提となる社会となる可能性が高いなか、健康を維持することがこれまで以上に大切になるためです。

年金議論の話では、年金は70歳まで引き上げられる可能性が高く、現在30歳のビジネスパーソンも残り40年はたらき続けることが前提になってきます。

生涯現役となる方が増える未来―それを受けて栄養士の方が言いました。

――身体が資本というけれど、実際には30代の健康意識は低い
――仕事はプロ意識を持つのに、健康管理はプロ意識が低い

はい、すみません。。。。毎週、つけ麺食べてます。塩分量を意識していません。。。。ということで、栄養士の方からアドバイスを受けたことを自分なりにまとめてみました。簡易版です。


健康管理=10年後の自分への投資
世の中のビジネスパーソンの大半は、「はたらき続ける未来」がやってくることをうっすら感じていると思います。一方でずっと健康で働き続けるための身体をつくり続けるとことには無頓着になりがちです。とくに食事については無頓着です。では、なぜ、無頓着になるのか。

 

  • 食事や栄養学を学ぶ機会がない。
  • 食事や栄養学は正解がなく、個人管理のため、継続管理が難しい
  • 成果がすぐにでるものではない。

 

だいたいこの3つに集約されます。将来のことについて、資産運用やキャリア形成については真剣に考え、実行に移すことができるかもしれませんが、取得する栄養には意識が向けられないのかもしれません。ただ、これでは何も解決しないので、どう意識変化すればいいのか、アドバイスをいただきました。

それは、今食べているものは10年後の身体をつくるという観点から、「10年後の自分への投資」という意識を持って、取り組むこと。これを健康管理の目的志向というそうです。

 

健康管理の目的志向について
健康管理の目的志向を推進するうえで、簡単でいいので普段口にしているところから知識を増やすということが挙げられます。たとえば、普段食べているサラダひとつとっても知識が増えれば、見え方が変わります。

 

  • レタスは、栄養価が低い。水分が多いので、栄養よりも体調を整えるもの
    →撮りすぎた塩分を外部に出してくれる。しかし、ビタミンは少ない
  • トマトはリコピンが豊富。栄養価が高いが、生より熱を加えた方が吸収しやすい
    →栄養の吸収量は、2~3倍になるとか
  • 脂溶性ビタミンをもつものは、油といっしょにとることがより有効に
    →人参、トマトなど。質の高いオリーブオイルといっしょのレシピを考える


などなど。
ふだん、なんとなく栄養価が高い、低いだけで買っている野菜にも特徴があり、こうした組み合わせを考えられると、より日々の健康維持、食事への意識が高まっていきそうだと感じました。

そして、栄養士のお話でやっぱり刺さってきたのは、

「食事は、10年後の身体をつくる投資である」


ということです。10年後もバリバリ現役で働いていたい。ならば、もっといまよりも健康志向を高めていかなければならないとふだんの生活を改善しようと思ったのでした。

まずは小さな改善。つけ麺の頻度を少なくすることから始めてみます。。。



残念なハロウィンパレードが生まれてしまった理由を考えてみる

10月後半、いよいよハロウィンに向けて本格化してきましたね。

ということで、本日、とあるショッピングモールで行われた「ハロウィンキッズパレード」に参加してきました。内容は、ショッピングモール内を仮装して集まった子どもたちで音楽に合わせて回り、特定の店舗にて「TRICK or TREAT(トリックオアトリート)」といって、お菓子を集めていくというものです。

子どもたちも用意された仮装ができるとあり、楽しみにしていたのですが、、、、ちょっとこのハロウィンパレードが残念な内容だったので、なぜ、ハロウィンパレードがこれほどまでに残念になってしまったのか、を考えてみようと思います。

まず、何が残念だったのか、を簡単に書き出してみます。

1.前置きのトークが長い。
子ども向け英語塾の開園もあり、パレードの前置きのイベント(PR)が長かった。

2.店舗のお菓子配りの時間が長い。
店舗に向かい、「TRICK or TREAT(トリックオアトリート)」と叫んで、店舗の店員さんから事前に用意されていたお菓子をもらうという手順だったのですが、参加人数が多かったことや手配がおろそかであったため、最初にもらった子どもからみんなに配り終えるまで、だいぶ時間を要する結果となってしまった。※とうぜん、早くまわりたいと泣き出す子どもや飽き出す子どもあり。

3.歩く距離が長い
大型ショッピングモールの同一フロアをぐるっとまわります。自分も参加者としてそのぐらいの距離は想定していたので、そこは問題なし、、、、と思っていたのですが、ここから別館に移動。さらにはエスカレーターで別の階に。そして、また元の場所に戻るというコース。想定外だっただけに、子どもたちが相当バテていた。。。。

2、3歳の子どもも参加するイベントという内容を鑑みれば、パレードの前座が長く、周回する距離も思った以上に長い。もともとフロア一周で終わりだと勝手に思い込んでいた自分も悪いのですが、スタッフさんたちの「別館もある」という声に「えっ?別館もあり?」と心の叫びがぽろっと口からでてしまうほどでした。ふつうに考えれば、子どもたちもそうだし、親のウケが悪くなるとわかりそうなイベント。なぜ、こんなことが起きてしまったのか、考えてみました。


いちばんの課題は「イベントスタッフが、誰に向かってこのイベントを行っていたか」という点です。端的にいうと、ちょっと想像も含まれていますが、スタッフが向いていた相手は「テナント」だったのではないかと思います。ショッピングモールを運営する会社は、この企画によって店舗ごとにスポンサーを募る。見返りはターゲットユーザーとなる家族の店舗への誘導。

それは、パレードが向かう先に店舗にもよく表れていて、

1.幼児服を取り扱うアパレル店
2.幼児玩具を取り扱うおもちゃ店
3.料理教室も展開するガス店
4.がん保険、生命保険を取り扱うお店
5.新規出店の幼児向け英語塾

というラインアップ。これをみるに幼児をもった親を店舗誘致し、認知してもらうことが最大の目的だった気がします。となれば、スタッフが向く相手はこのイベントを協賛してくれたテナントで「いかにターゲットとなる家族を、たくさんお店に連れて来れたのか」というのが、最大の目標です。であれば、上記に挙げた課題が生まれた背景もつじつまが合ってきます。

1.前座が長い
→もっとも協賛費を出したテナント向けに前座の時間を提供した
2.参加人数が多く、お菓子配りに時間を要した
→とにかく家族数が多い方がいいわけで、数の制約を設けていなかった
3.歩く距離が長い
→子どもたちが楽しめる適正距離よりもテナントまわりを優先していた

最終的な所用時間は、前座10分。パレード80分、、、、(´・ω・`).
大型ショッピングモールを別館まで隅から隅まで渡り歩き、エスカレータで移動もするわけで、小さい子どもからしたら小規模の遠足レベルです。なかには「もうすこしだから、頑張って」と子どもに声をかける親も出る始末、、、、安全面を考えれば、団体でエスカレータに乗せることはリスクを伴うような気もします。

結局、こうした運営をして得をしたひとって誰もいないので、せっかくのハロウィンパレードなのに、もったいないなぁっと感じてしまいました。結局、誰を顧客とみてイベントを企画するのかによって、イベントの内容は大きく異なってしまうし、向き合う相手を間違えてはいけないなぁっと思ったわけで、今日は反面教師として、ハロウィンパレードのことを考えてみました。

フラットな組織・フラットでない組織を見分ける簡単な方法

最近、上司も部下も分け隔てなく対話や議論ができる「フラット」な議論の場をつくるためにはどうしたらいいのか、という議論がありました。背景にあるのは、市場の変化がより速くなる中で、権限を現場に移譲し、現場から変革を起こす流れをつくりたいということが挙げられます。

そうした中、あらためて部下も上司も立場を関係なく率直な意見が言い合える「フラットな議論」について、それができている会社、できていない会社を簡単に判断できるポイントについて、とあるコンサルタントに教えてもらったので、ご紹介します。

このポイントですが、意識してみているとほぼ間違いなくフラットに議論できる環境づくりができている組織なのか、逆に支配型で上司のいいなりとなっている組織なのかがわかります。

ポイントは、会議のはじまり:「チェックイン」です。

チェックインとは、会議のはじまり時にいまの気分や会議への期待など、ちょっと気になる気持ちをみんなにシェアする手法です。目的は主に2つ。のちほど自発的に意見が言えるよう、ちょっと心をオープンにできる時間を一人ひとりにつくること。2つめは、一人ひとりの声に耳を傾けることで、「自分の意見が受け入れられる」という心理的安全をつくることです。

たとえば、こんな感じでスタートします。


「会議をはじめる前に、一人ひとり、今の気分や心の中にあることを披露してください。順番は問いません。どうぞ。」


さて、ここからが本題です。このチェックインによって、「フラットな組織/フラットではない組織」が簡単にわかります。

1.フラットでない組織は、間に耐えられない。
チェックインにより、一人ひとりに自発的な声が出るまでに間が空くことになります。考える沈黙の時間です。そして、ふとこんな言葉が出てきたりします。

「じゃ、とりあえず、私からはじめますね」。

この「とりあえず」という言葉、意外にも多く用いられます。そして、こうした「とりあえず」という言葉が出る組織ほど、自分の意見を率直に伝えるよりも、「場をとりもつ」ような行動に出ます。そこには、一人ひとりの自発的な行動はみられません。

2.仕切りを入れたがる。
チェックインを始めるにあたり、いきなり仕切りを入れる方がいます。「じゃ、わたしが話しますから、そこから右回りで発信していきましょう」など。「順番は決めません」というのも狙いがあって、パッと考えや意見が浮かんだときに発信することに重きを置いているからです。そのため、仕切りを入れることはその場の自発的なアクションを阻害し、ルールで縛り、主導する力学がはたらきやすくするものです。

そのため、いきなりその場のルールを決める仕切りを入れたがる場合は、メンバーの率直な意見が引き出せていない可能性があります。


簡単ですが、会議内でチェックインのこの2点だけチェックしているだけで、組織の上下関係なく意見が言える環境なのか、そうでないのかが簡易チェックできます。

あと会議中に絞っていうと、「フラットな組織」について、「役職、年齢問わず、「さん」づけで呼び合えているか」も参考になります。よく上司が部下を呼び捨てにするケースがありますが、その時点で上下関係をつくっているので、フラットな関係づくりはできません。フラットな組織では、インターンや学生、新入社員に対しても「さん」づけでフラットな環境をつくりだしています。

また会議なので、リスケするケースもありますが、フラットな組織ではずらした側の責任として、役職や年齢問わず、その方が再設定するというルールという組織もありました。対等な立場を崩さないのが、フラットな組織の特徴だったりします。


最後に、今回紹介した簡単なチェック方法ですが、自分の過去の経験から実は「フラットでない組織の長は、フラットでないことに気づいていない」というところが多いです。会議では「○○○さんは、どう思う?」と意見を求めますが、「更なる意見を求めている」のでなく「合意を求めている」ように部下から思われているなど、根本的に上司がその現状を理解していない、という問題もあります。

つらつらと書きましたが、上記のポイントを簡単チェックするだけでもフラットな組織運営ができているのか、否かがチェックできるので、ぜひ試してみてください。

 

Fitbit(フィットビット)を3か月つけてみてわかったこと

Fitbit(フィットビット)をご存じですか。

Fitbitは、アクティビティ、運動、食事、体重、睡眠をトラックすることで健康を改善するフィットネス製品です。バンドのような製品を腕時計のようにつけているだけで、歩数や睡眠などの情報をスマホに蓄積することができます。

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実は、このFitbitをつけることで変化が出てきたので、紹介します。

1.日々の目標へのコミットが強くなった
健康のために「1日1万歩、歩こう」という話があります。これが自分にはちょうどいい塩梅の日ごとの歩数なんです。何も意識せずにオフィスに行き、デスクで仕事をし、家に帰るとだいたい7,000歩ほどにしかなりません。目標達成のためには必ず時間をとって「余計」に歩かなければなりません。アポイントでもよし、ランチを少し遠めのお店でとるもよし、食後に近くを散歩するなどなど、とにかくこの1万歩を達成するために「余計」な歩数をつくる努力がはじまりました。

これが効果的で、どんなに忙しくても無理やり休憩をとる習慣をつくるきっかけになりました。メリハリができることで、より集中力の向上にも効果を発揮しています。

2.より快適な睡眠を意識するようになった
Fitbitをつけたまま睡眠をすると、熟睡時間と寝返り回数がデータとしてトラッキングされます。お酒を飲んだあと、アロマをしたあと、風呂に入った直後など定期的に繰り返してみると、自分が熟睡しやすいパターンが出てきます。ちなみに自分は香りが効果的みたいです。

またFitbitでは、快適な睡眠時間を6時間とされているので、眠る時間、起きる時間を6時間間隔で設定します。その時間にバンドがブルブルっと震えることで、そろそろ寝た方がいい、起きる時間に気づくことになります。そうして必ず睡眠時間をキープすることができるようになりました。

3.ほかの健康にも興味が湧いてくるようになった
健康への意識が高まると自然にほかのこともやってみたくなります。いま、自分が意識しているのは、姿勢です。自分がもっとも解消したいことが「肩こり」だからです。そこで、まずはデスクでの姿勢を改善しました。参考にしたのは、石川善樹さんの著書「疲れない脳をつくる生活習慣」です。PC台をつかって目線をあげる工夫をしました。理想の姿勢の詳細は著書を参考にしてほしいのですが、端的にいうと「竜馬の座り方」が理想なのだそうです。

そんな感じで、Fitbitをつけることで、自分の健康に関する意識が高まっています。めでたく去年の健康診断の結果よりも好成績だったこともこの裏付けになりそうです。
※とはいえ、消化器系だけC判定でしたが、、、、、

それで今日なぜ、Fitbitや健康の話をしたかというと、昨日、こんなプレスリリースをみたからです。

prtimes.jp

 
『睡眠の技術による生産性向上プログラムSommnie(ソムニエ)』を活用し、DeNA従業員を対象にした被験者66%の睡眠が改善したとのこと。続けて、社員の健康と生産性を高めていくという内容でした。

昨今、こうした健康×生産性というニュースや記事を多くみられるようになってきました。考えてみれば当たり前の話で、定年制がなくなり、自分たちの時代は「生涯現役」ではたらくことが当たり前の時代になるかもしれません。

それなのに、20代、30代で健康を害したり、心に傷を負ってしまうことは、その後の40年、50年の長いキャリア人生に暗い影を落とすことになります。正直、30代で肩が痛い、腰が痛い、消化器系が痛い、うつだ、とか言ってられないわけです。

20代~30代は健康が当たり前――

そんな気持ちでいまは日々の健康に向き合っています。さて余談ですが今度、新しいFitbitが発売されるみたいです。興味がある方はぜひ新製品を試してみてはいかがでしょうか。自分も書き換えようと思います。

 

>Fitbit(フィットビット)オフィシャルページ

www.fitbit.com